源氏先生の裏の顔 ページ13
「ナイッシュー余……！うふふっ……あははは……っ。」
な ん だ こ い つ 。
掛け声ダサいな。なんてありきたりな感想が浮かんだ。人は困惑が1周すると逆に冷静になるとはよくいったものだ。
「え……えらいものを見てしまいました。」
「ですね……早くムラサキさんたちに知らせないと……。」
「………(こくり)」
ひとしきり笑った源氏先生は、手元にあったボトルからそのまま中身を飲んでいる。中身はワインか何かか？職務中に飲酒はまずいのでは？
そんな彼を見ながら3人でひそひそと話をしていると、ガラッと音を立てて理科室のドアが開いた。
そこに立っていたのはムラサキさんだ。
「失礼しますぅ……。」
タイミングー！？何で今！？
彼女と目が合った源氏先生は噎せて咳き込んでいる。
「だ、大丈夫ですかぁ……？」
「い……いや、すまない。何か用かな？」
「あのぅ……あたすも……先生にこれ渡したくってぇ。」
ムラサキさんが差し出したのはパンダのカップケーキだ。
「……ああ、なんだそうか……。ありがとう、嬉しいよ。」
「そそ、そんじゃ、あたすこれで……っ。」
嘘臭い笑顔でそれを受け取る源氏先生、作り笑いに気が付けないムラサキさんは頬を染めるとそそくさと出て行った。
その瞬間、
「濃ゆいわ！！」
ムラサキさんの気持ちのこもったカップケーキを、あろうことか源氏先生は床に叩き付け踏み潰し始めたのだ。
「なんだ今のは！？自然体で余より濃ゆいわ！許せねーわ！」
ひとしきり踏みつけた源氏先生は、顔を覆って項垂れる。
「………余は……、余は誰よりも輝かないと、また言われるんだ。名前負けしてるねって……。」
あぁ、トラウマ持ちか。なんて悠長な事を考えるより前に、私は驚愕に凍り付いた。
先程源氏先生がカップケーキを踏み潰した時に結構な音がしたせいだろうか。ムラサキさんが戻ってきてしまい、挙げ句一連の源氏先生の行動を目撃してしまっていたのだ。
……この手のコンプレックス持ちからしたら絶対に知られたくないであろう、『理想の自分ではない姿』を、バッチリと。
「お、大きな音したからぁ………。」
「………。」
ムラサキさんの存在に気が付いた源氏先生も凍り付く。
「……あのぅ、源氏先生は十分……、」
「見たね？」
何かを言おうとしたムラサキさんの言葉を遮って、源氏先生は喋り始めた。
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ユキヨル(プロフ) - 新埜さん» ご指摘ありがとうございます！！非公開になってるのに気がつきませんでした……公開にしておきます！！ (2019年8月26日 18時) (
レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
新埜(プロフ) - ユキヨルさんのお話、文才が凄くて面白いです！！あとすいません、おそらくですが、鮮血湯煙事件のとこ、1話目が非公開になっていると思いますよ!! (2019年8月26日 17時) (レス) id: a85fd0d46b (このIDを非表示/違反報告)
ユキヨル(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます(*´ω｀*)体調気を付けますね！ (2019年8月24日 18時) (レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 更新頑張りながら体調にも気をつけてきださいね！ (2019年8月20日 10時) (レス) id: eadb533606 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヨル(プロフ) - Sayakaさん» なるべく毎日更新出切るように頑張りますo(･ω･o) (2019年8月20日 10時) (レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキヨル | 作成日時：2019年8月19日 14時
