源氏さん ページ11
そんなこんなでなんとか潜り込んだ聖シキブ女学院、女子生徒の黄色い声がする場所を見つけそこへ行ってみると、1人の男性が女子生徒達に囲まれていた。
ふんわりした淡い金髪、長い睫毛が縁取る宝石を嵌め込んだような蒼い瞳、陶磁器のような肌。すらりとした長身を品の良い燕尾服に包んでいる。
だが、湛えた穏やかそうな笑みは心底嘘臭い。確かに物凄く美しい、西洋人形のような人ではある。だが、この人はぜっっったいに裏があるタイプの人間だ。程度は分からないが絶対本性を隠しているだろう。賭けても良い。
女子生徒達にお菓子の入った包みを手渡されながら微笑む源氏さんを観察しつつ入出さんが口を開いた。
「ふーむ……源氏くんが先生だったとは……禁断の恋ですね。」
「でも教師なら将来安定していそうです。」
返事をしたのは伊奈葉さんだ。まぁ確かに公務員はね、無くならないからリストラの心配もないしね。
「どうだムラムラ、源氏くんの第1印象は。」
「す……素敵な方ですぅ。女の子達も皆キラキラしてて……それに比べてあたす……あたすは……。」
路々森さんに尋ねられたムラサキさんはそう言って自分のアフロを引き千切る。そんなムラサキさんを伊奈葉さんが励ました。
「ム、ムラサキだってとっても可愛いです……！自信を持って下さい。」
「持つとこないですぅ……。」
「いいですかムラサキ、好きな人には素直に気持ちを伝えるんです。どうやったら喜んでもらえるか、一緒に考えましょう。」
「おっかさん……。」
ムラサキさんが逢河さんを見つめる。
その彼はスカートが気になるのかパタパタと裾を弄って更屋敷さんに止められていた。
「やっぱりムラサキさんは逢河さんが好きなんですねぇ。」
「えっ？九瓏さん、それってどういう………。」
誰かに話しかけたつもりもない呟きだったが、聞こえたらしい更屋敷さんが驚いたように聞き返して来た。
「駆堂さんと呼び分けしにくいでしょうしAで良いですよ。それがどうもムラサキさん、昨日逢河さんに一目惚れしちゃったみたいなんですよね。」
「あ、じゃあAさんって呼びますね。………って、えぇ！？あの教師とくっつけないとクリアにならないんじゃ……！？」
「取り敢えずゲームクリアの為に源氏さんにアタックはするみたいですけど……本命は逢河さんなんじゃないなかなぁ、と。」
「ふ、複雑ですね……。」
「ですねー。」
ハッピーエンドになるといいけど。
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ユキヨル(プロフ) - 新埜さん» ご指摘ありがとうございます！！非公開になってるのに気がつきませんでした……公開にしておきます！！ (2019年8月26日 18時) (
レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
新埜(プロフ) - ユキヨルさんのお話、文才が凄くて面白いです！！あとすいません、おそらくですが、鮮血湯煙事件のとこ、1話目が非公開になっていると思いますよ!! (2019年8月26日 17時) (レス) id: a85fd0d46b (このIDを非表示/違反報告)
ユキヨル(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます(*´ω｀*)体調気を付けますね！ (2019年8月24日 18時) (レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 更新頑張りながら体調にも気をつけてきださいね！ (2019年8月20日 10時) (レス) id: eadb533606 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヨル(プロフ) - Sayakaさん» なるべく毎日更新出切るように頑張りますo(･ω･o) (2019年8月20日 10時) (レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキヨル | 作成日時：2019年8月19日 14時
