藍よりも深く【夕闇に誘いし漆黒の天使達】

煙。9 ページ40

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ごめんもありがとうも当てはまらないし、
言ったところで、それはきっと、ともやのためにもならない。


道路に規則正しく並ぶ街灯が通り過ぎるたびに光のを尾を引いて後ろに流れていくのをただひたすらに見ていた。

車がすれ違う音と、申し訳程度に流してる夕闇の曲が聞こえるのに、それよりも、私の心臓の音のほうが大きい気がした。



傷つけた、ともやを。

あんなに私のことを考えて、
バンドのことを考えて、

一人で傷ついて。


私は？


私は、自分のことばかりで
ともやの機嫌ばかり伺って

寂しい、なんて、どうしたの？なんて
一つも言えなかった。

ともやの気持ちなんて考えてるようで考えてなかったのだ。



今は私は

私の、気持ちは


『…ともやは、私のこと好きなの？今も』

ともや「は！？え、いや、さっき言ったから」

『ん、ああ』

ともや「ああ、って…」

はぁ、と短いため息を疲れてしまったので、横目で見ると、いつもキリッとしてる眉が下がってしまっていた。


そんな顔、しないでよ。


ともや「Aは、もう好きじゃないん？」


『わかんないよ…』


わかんないけど


『ともやのことばっかり、考えちゃう』



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