藍よりも深く【夕闇に誘いし漆黒の天使達】

煙。3 ページ34

.
.
.

うろうろ店を探して、結局入ったのは下町感溢れる、一人だったら絶対に入らないようなどこにでもある普通の定食屋さんだった。


ともや「ここたしか、にっちが前に食ってうまかったって言ってだから、多分うまい」

『ふーん…』

お客さんはお昼が過ぎてるからまばらで、座敷の席に通された。

目の前のともやは、やっぱ肉だな、肉。とお肉メニューを見ている。


なんだこれ。本当に。

ともや「…で、Aは？」

『…ん、へ？あー同じのでいいよ』


ぼんやりしていたら、いつの間にメニューを決めていたようだ。


ともや「は？いいの？これは？Aこういうの好きじゃん」

パッとともやが持っていたメニューを私に見せながら指差してきたのは、本当に私が好きそうなメニューだった。

『あ…じゃあそれ』

ともや「はいよぅ。スンマセーン」


いつも一緒にご飯食べる時、すぐに決めちゃうともやが私が迷ってるのを見て、これは？これは？と私が好きそうなメニューをピックアップして教えてくれたな、そういえば。

結局その中から私も選ぶけど


ともや「肉一枚交換ね」


こうやって、交換、っていつも言うから
きっとともやの食べたいものでもあるのかなって気づいたのは結構後で
ずるいけど、私のことも考えてくれてて、結局私も

『はい、ここ置くね』


交換しちゃうから、それも含めて、わかってるんだろうなって思う。




今も、こうやって自然に、昔と変わらずにいるのは

どうしてなの？


ねぇ、ともや、今何を考えてる？




.
.
.

ともやんとおデート編、やっていきゃしょう！
ファイヤ！！

煙。4→←煙。2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す