藍よりも深く【夕闇に誘いし漆黒の天使達】

突。3 ページ23

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心臓がバクバクしてる。
首の脈が波打って、
あ、緊張してるってわかる。

昔から自分の発表とかでは緊張しないのに、人のライブは緊張する。
心配とか、そういうのじゃないけど、緊張するんだ。
なんで？って聞かれるけど、昔からそうだから、理由なんてないと思う。

高揚感に近い、緊張。




お言葉に甘えて、ステージ袖から見ることにした。
邪魔にならないように、夕闇が待機してるのと逆にひっそりといることにした。


並んだ先頭の千葉くんとたまたま目があうと、はっとした顔の後、パタパタと笑顔で手を振ってくれた。それに気づいたにっちもパタパタと振って、小柳さんは集中しているからかペコっと頭を下げた。

ともや、は
気づいているとは思うけど、こちらをちらっと見た気がするけど、それだけ。
まぁ、そうだよね。集中したいしね。
(千葉くんとにっちが集中してないわけじゃないと思うけど)


間も無く会場が暗転すると歓声が上がった。





…ライブは本当に圧巻で、圧倒的で。

なによりも驚いたのは千葉くん。
あの貸したギターはともやにもらった時から、2フレットがビビりやすい。
それを完璧にカバーしてる。
そして自分の音にしてる。


あの人、うまい人だ。
いや、本当に。



私のギターで楽しそうにライブする千葉くんばかりを見てしまう。


いつもはのほほんとしてるけど、
本当にライブが好き、音楽が好き、ギターが好き、夕闇が好きって伝わってくる。

なんか、侮れないな、千葉くん。




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