藍よりも深く【夕闇に誘いし漆黒の天使達】

突。2 ページ22

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ともやside

タバコを吸ってから楽屋に戻ると、千葉が小柳さんに何やら頼んでる。

千葉「ね！お願いします！」

小柳「うん、いいよ、別に、世話なってるし」

千葉「あざっす！！」

ともや「どしたの？」

千葉「Aちゃんにパスわたそーって」

座りながら飲んだお茶で盛大にむせた。
え、あ、そっか、来るんだもんな。
まあ、いいんじゃん？？

にち「ともやん大丈夫？？」

ともや「あ、うん、うん、大丈夫」

千葉「あ、外にいるっぽいから、渡して来る〜」

そういうと千葉はパスを手に楽屋を出て行った。


てか、いつのまにか、連絡とか、できるようになってるんだ。

千葉がいなくなると静かになる楽屋。

にち「ともや、」

ともや「ん？」

にち「いいの？言わなくて、ギター」

ともや「…言ったところで、でしょ」

言ったところで、なんだっていうんだ。
元俺のギターで、今はAのギター。それだけのこと。

それだけの、こと。


小柳「お前さぁ、まだ好きなの？」

なんてことないようにそう聞かれて、ゆっくりと頷くと、ハァ。と短いため息をつかれた。

小柳「言ったらいいんじゃん？俺の女に手ェだすたぁどういうことや？て」

にち「いや、言い方笑 でも、気になるなら、やっぱり…」

ともや「Aが決めることだろ、誰が好きとか、付き合うとか」

にち「っては思ってない顔だけどねぇ〜」

そう言われてパッと鏡を見るとまた眉間にシワが寄っていた。


ああ、そうだよ、そんなこと思ってないよ。

自分から突き放したのに、目の前に現れたら、そりゃ……


あんなに好きだったんだ。忘れられるなんて思ってない。


程なくして千葉が戻ってくると、最終確認のためにスタッフに呼ばれる。



どんなに悩んでも、大好きな元カノがライブに来ようとも
俺はバンドマンで、たくさんのファンが待ってる。

とりあえず、ライブよ。ライブ。





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