開。4 ページ15
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行きつけであろう楽器屋の店主にペコッと挨拶すると、スルスルと棚の間を抜けて弦のコーナーまでやってきた。
千葉「何使ってる？」
『え？』
千葉「あのギター、弦何使ってる？」
『え、えっと、これ』
私が使っている弦を手渡すと、おっけーって言って会計に行ってしまった。
千葉「おまたせー」
『なんで？いつも使ってる弦じゃない、でしょ？』
千葉「あーうん、そうだね」
『じゃあなんで？』
千葉「持ち主があのギターで使ってる弦使った方が、いい音なのかなーって思って」
変わってる。そんなこと考えるなんて。
そうそういつも使ってる弦を変える人なんていない。指のタッチ感、音色が変わっちゃうから。
自分のことよりも、あのギターのことを考えるなんて
変わってる。
ライブハウスに戻ると、そういえば昨日の片付けが終わっていないのに気づいてため息が出た。
バーカウンターを片付けていると
千葉「本当に今日はありがとう！」
いつの間に帰る準備を終えたのか、千葉くんが目の前に立っていた。
『いや、全然』
千葉「あの、これ」
ガサガサギターケースを漁って、私の手のひらに一枚の紙を渡した。
『これ…』
千葉「2週間後のライブのチケット！お礼ってわけでもないけど…よかったら！」
手のひらに乗った��夕闇に誘いし漆黒の天使達��の文字を見て一気に舞い上がったけど
同時に沈んでいく。
行きたい。
正直にそう思う。
昨日確信した。
私は今でも夕闇のファンだ。
でも、ライブに行ったら、ともやに会ってしまう。
まだどんな顔して会っていいかわからない。
千葉「ん、まぁ暇だったらでいいから。じゃ」
私が返事を言い淀んでると、何か察したのか千葉くんはタタタと入り口に向かって行ってしまった。
何か言おうと口を開くけど、行くね！とも、行けない、とも言えなかった。
ドアが閉まるとき、ひらひらと手を振って出て行った。
不思議な人、いや、変わってる人。
犬、猫……いや、なんだろ、ナマケモノ？
溶けてるというか…
ふわふわ…でもないし……
なんとも言い難い彼の姿を思い出す。
牛丼を食べるときの
その髪を耳にかける仕草も
まるで女の子みたいだと思ってた。
それでも、昨日のギターを弾く姿はちゃんと男の子だったな、と思い直す。
変わってるナマケモノ
私の中で彼の第一印象はそれだった。
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なぁ(プロフ) - 沙季さん» 沙季さんありがとうございます！ちょっとずつしか更新出来てないのですが、頑張ります！！ (2019年7月11日 16時) (
レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
沙季(プロフ) - いつも更新楽しみにしています！頑張って下さい！ (2019年7月11日 2時) (レス) id: 7998ec173a (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - わたり。さん» わたり。さんありがとうございます！楽しみにしてくださってるなんて…！！頑張ります！コメント頂けて嬉しいです！ (2019年7月6日 19時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
わたり。(プロフ) - 突然のコメント失礼します(笑) この作品とても楽しみにしてます！頑張ってください！！ (2019年7月6日 19時) (レス) id: a563c15956 (このIDを非表示/違反報告)
なぁ(プロフ) - なかむらさん» なかむらさんありがとうございます！長編の予感しかしませんが、すごく書きたい作品なので更新頑張ります！ (2019年7月5日 0時) (レス) id: 07945c6d2e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なぁ | 作成日時：2019年5月15日 2時
