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ヒ「そうだな、じゃあAからキスしてくれたら許してあげるよ」
『キッ、キスっ…！』
普段私からキスする事なんて滅多にないのに、それをわかっててヒサメ君は言ったに違いない。
熱を持ち赤くなっているであろう私の顔を見ながらクスクスと笑うヒサメ君が「どうする？」と意地悪な笑みを浮かべていた。
キス、したら許してくれるんだし…うん、よし、やろうと意を決して「目、瞑ってほしい」と言うと素直に目を瞑ったヒサメ君の肩に手を添える。
…ヒサメ君ってほんと顔整ってるよなぁ、まつ毛も長いし、肌も綺麗だし…と見惚れていると急にヒサメ君がパチっと目を開いたので驚いてしまった。
『わっ！な、なんで目開けるの！』
ヒ「いや、キスするのに時間かかり過ぎてるなと思ってね。なに？僕の顔に見惚れてたの？」
『…！なんでわかっ…あ、いや、なんでもない！ほ、ほら！ちゃんと次はするから目瞑って！』
ヒ「ふっ、はいはい」
そして再び目を瞑ったヒサメ君の唇にちゅっと触れるだけのキスをした。
『…キスしたからこれで許してね！』
恥ずかしさから勢いよく離れようとすると肩に乗せていた手を引っ張られヒサメ君の顔の鼻先につきそうな位の距離になった。
ヒ「A、こんなのキスって言えないよ？まぁAにしては頑張った方だからね。次は僕が本当のキスを教えてあげるよ」
『本当のキスって…！…んっ！』
言うな否や私の口を塞ぐヒサメ君。
引っ張られた腕は掴まれたまま、反対の手で頭を抑えられ角度を変えて段々と深いキスに変わっていく。
こんなに長くキスをするのは初めてで、もうどうしたらいいかわからず掴まれていない方の手でヒサメ君の胸板辺りをトントンと叩くとヒサメ君は最後にリップ音を立ててキスするのをやめた。
息するのが辛い私と違ってヒサメ君は平気そうな顔をしている。
ヒ「ふっ、Aもそろそろこういうのにも慣れてもらわないとね」
『…！』
ヒ「あーあ、さっきより顔が赤くなったね。僕の妻になる人は反応がいちいち可愛くて飽きないよ」
『〜〜！私だって！いつかヒサメ君に参ったって言わせるんだから！』
ヒ「そうなの？それは楽しみにしてるよ」
いつかヒサメ君に参ったっ言わせる決意をしたAだった。
ヒ「まっ、無理だろうけどね」
『！！！！』
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作者名：ソラ | 作成日時：2020年4月16日 23時
