【赤髪の白雪姫】短編集 (ページ20)

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イザナ×色気ページ20

夜も更けそろそろ寝ようかと思っていた時に陛下の部屋に行くようにと衛兵が私を呼びにきた。

陛下の部屋に着きノックをし部屋に入ると長椅子に座っている陛下と目が合った。

イ「悪いね、A。こんな時間に呼び出して」

『いえ、かまいません。…イザナ様もしかして体調がよろしくないのですか？』

なんとなくいつもと違う彼の雰囲気と表情からそんな気がして尋ねてみると一瞬驚いた顔をした後すぐにいつもの表情に戻った。

イ「…さすがだな、よく気がつく子だ。少し疲れが溜まっていたようだ」

ここのところ視察へ出かけたり書類整理などやる事が多かったから、さすがのイザナ様も珍しく体調を崩されたのか。

『イザナ様、寝台へ行ってもうお休みになってください。』

イ「あぁ、悪いがそうさせてもらうよ」

体調が悪くて少し汗をかいているものの、それが綺麗な顔立ちに程よく色気が増している。

それ以上色気増やさないでほしいな…あれ、そういえば私は何の用で呼ばれたんだっけ？

う
『イザナ様、そういえば私に何かご用があったのですか？』

イ「…」

『…？』

イ「…用はない」

『え…！？』

イ「…少し顔が見たくなった、それだけだ」

そう言ってふわりと笑ったイザナ様に思わず見惚れてしまった。

普段から好意的な言葉をあまり言わないイザナ様に言われ余計恥ずかしくなった。

『イザナ様…私以外にそんな事言わないでくださいよ』

イ「なんだ嫉妬か？」

『…意地悪ですね』

イ「ふっ、そう拗ねるな。」

私の手を引き近付いたかと思うと人差し指を私の口に当てた。

『～～！？』

イ「体調が戻ったら…な？」

ニヤりと余裕のある笑みを浮かべながら言うイザナ様。

それが何を意味するのかわかった私は一気に身体中が熱くなった。

イ「ふっ、移すのも悪いからそろそろ戻りなさい」

『…はい』

体調が良くも悪くもイザナ様には敵わないと思うAだった。