86 オビside ページ37
俺が座っているA嬢の横に来てもこちらを一切見ないで足元にある小枝で地面に何かを描いてるA嬢…相当怒ってるな。
オ「…ごめんね、何も言わず出かけて。」
『…怪我したんだね。』
オ「あー…トロウがヘマしたのを助けた時にちょっとね。」
『…ふーん。知り合いだったんだね。』
オ「あー、うん…。どっかで会っても知らないふりするのが普通だったから、ついね…。」
『なんとなく知り合いかな、とは思った。夕飯の時、オビがあの人に対する態度がなんか初対面の人にするのと違う気がしたから。』
オ「そっか…よく気が付いたね。別に前の同業ってだけだからさ。俺が昔の俺に興味ないからわざわざ言わなくてもいいかなと思って。」
『…本当にただの同業者ってだけ？』
オ「えっ？」
今一瞬何を聞かれたかわからなかった。
でもそういう聞き方をされたら…
オ「A嬢、それってトロウが俺の昔の恋人かなんかだと思ったって事かい？」
『…。』
A嬢は答えはしないが、何かを描いていた手を止めたので肯定と捉えていいだろう。
あ、どうしよう。顔がニヤけてしまう。
オ「A嬢、それは嫉妬したって事だよね？」
『…だって！オビの恋愛話は一度も聞いたことがなかったから…！かわいいとかさらっと言えるのもなんな慣れてる感じがして…。せっかくのデートなのに何回も考えちゃってたし…。』
そう言って俺を見上げたA嬢の顔は少し赤かった。
あー、だから今日何回も考え事してたのか。
ほんとこの子は愛しいな。
俺は座っているA嬢の前にしゃがみ、A嬢の目をまっすぐ見て言った。
オ「好きになったのも、誰かと付き合いたいと思ったのもA嬢が初めてだよ。」
『…！』
オ「雑多な依頼で生活してた時はさ、いろんな依頼があったから女関係なかったって言ったら嘘になるけど。でもそこに俺の感情があった事は一度もない。心からかわいいとか好きだとか思うのは
A嬢しかいないよ。」
俺が思ってる事、あと多分A嬢が気にしてるであろう事を話すとA嬢は言った。
『オビは昔の事興味ないって言うけど、私はオビが好きだからオビの事が知りたいと思うよ。言いたくない事もあると思うけど…。
それに同業者だったとはいえ、女の人だったし…誰にも言わずに夜中出かけたらやっぱり、その…少しは疑っちゃうよ。』
今日は一段と素直に言ってくれるA嬢がいつもよりかわいく見えてしまう。
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ソラ(プロフ) - キサラギさん» ありがとうございます！そう言っていただけてとても嬉しいです！更新少し時間が空いてしまって申し訳ないですがお待ちいただければと思います！ (2020年5月29日 12時) (
レス) id: 125440dea5 (このIDを非表示/違反報告)
キサラギ(プロフ) - 最近赤髪の白雪姫を漫画全巻買って、アニメも見てオビに一目惚れしました。赤髪の白雪姫の小説は中々なくてしょんぼりしていたのですが、こんなに素晴らしい作品に出会えてとても嬉しいです！大好きです！！続きも楽しみにしています！！ (2020年5月28日 15時) (レス) id: 74efbda0bd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラ | 作成日時：2020年4月6日 22時
