7 オビside ページ7
初めて会った名前も知らない見ず知らずの彼女。
俺の事を見て一瞬驚いた顔をし、何か言ったかと思ったら急に抱きついてきた。
なんて言ったかわからないが彼女は泣いていた。
とりあえず彼女が落ち着くまでされるがままの俺。
どれくらい経ったか、彼女が落ち着いてきたのか泣き止んだので聞いてみる。
オ「大丈夫ですかい?」
俺を見上げる彼女と目が合う。
初めて彼女と目が合い、あ、主と同じくらい綺麗な青い瞳をしてるな…なんてちょっと見惚れていると、
『ごっ、ごめんなさい!私ったら見ず知らずの人にいきなり抱きついたり…!しかも泣き晒すなんて…!』
自分がした行動が恥ずかしかったのか、抱きついていた手を離し俺から離れ顔を赤くしながら謝ってきた。
…離れた手が少し名残惜しいと思ったのはなぜだろうか。
オ「大丈夫ですよ、気にしてませんから。それより泣く程の事があるようだけど大丈夫かい?」
彼女を見ると困ったような顔をしながら言った。
『…ちょっと昔…と言っても1〜2年程前の事なんですけどね、思い出していたらあなたが現れて。なんだか急に寂しさがこみ上げて来てしまって…ごめんなさいね、ほんと急に。でも大丈夫です。泣いたら少しすっきりしました。ありがとうございます。』
そう言って彼女は泣いたばかりの目を擦りながら言った。
『あ、すみません。私Aと言います。お名前聞いてもいいですか?』
人懐っこそうな笑顔で名前を聞いて来た彼女、Aに俺は自己紹介をした。
オ「オビです。第二王子の伝令役をしています。」
『オビ…?じゃあ、あなたがゼンの新しい仲間の方なんですね!』
名乗ったらなぜか俺の事を知っているようだった。
オ「俺の事をご存知で?」
『名前だけですけどね。先程ゼンから新しい仲間を紹介したいと言われたんです。』
主を呼び捨てにするA。主と親しい関係のようだった。
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作者名:ソラ | 作成日時:2020年3月30日 16時