あなたが好き【赤髪の白雪姫】 (ページ34)

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コンコンコン

『失礼します。…あれ？誰もいないのかな？』

薬室に誰もいないのか辺りを見渡していると、

リュ「…どうかしましたか？」

私よりも小さな男の子が奥の部屋から出てきた。

『あ、ごめんなさい。怪我とかではないんですけど、ちょっと白雪に用がありまして。』

リュ「白雪さんなら今薬草取りに行ってもらってるからもう少しで帰って来ると思います。」

『あ、わかりました。待たせてもらっても平気ですか？』

リュ「どうぞ。」

そう言うと男の子は机で薬草をすり潰し始めた。

何もする事がなかったので男の子の作業を見ていると、

リュ「…おれが作ってるの不思議に思いますか？」

『？いいえ、薬室の方なら当たり前の事じゃないですか。あ、見られてるのが不快でしたか？だったらごめんなさい。』

リュ「…いえ、大丈夫です。」

『そうですか。あ、名前聞いてもいいですか？私はAです。』

リュ「リュウです。…おれの方が年下なんで敬語とかいらないです…。」

『そう？わかった。ちなみに何歳？あ、私にも敬語使わなくてもいいよ。』

リュ「…わかった。年は12歳。」

『12歳？12歳で薬剤師の仕事してるなんてすごいね！私がリュウのお姉ちゃんだったら私の弟天才！って感じで鼻が高いよ！』

リュ「おれの事子どもとは思えない知能があるから関わりたくない人が多いのにAさんは違うんだね。」

『そうなの？皆自分にリュウみたいな才能ないから僻んでるんじゃない？ガラクさんの弟子でしょ？もっと自信持っていいと思うよ！』

リュ「…ありがとう、Aさん。」

『うん！やっぱリュウ弟みたいだなぁ～リュウにさん付けで呼ばれると距離があるみたいで嫌だからお姉ちゃんとかA姉って呼んでほしいな！』

リュ「…！じゃぁ、A姉にする。」

『うん！ありがとう。』

こうして私はリュウと仲良くなった。

白雪を待つ間、リュウの作業を見てると、

リュ「A姉の手、結構肌荒れしてるね。」

『？あー、最近食器洗う洗剤が変わって、多分それがちょっと合わないのかも。』

私はそう言って自分の手を見た。

リュ「そうなんだ。肌荒れにいい塗り薬あったからちょっと待ってて。」

そう言ってリュウは奥の部屋に薬を取りに行き、薬を持って戻ってきた。

リュ「あったよ。両手ここに出して。」

『うん、ありがとう。』

そう言って私はリュウに薬を塗ってもらった。

そこへ白雪が…オビさんと一緒に戻ってきた。