回りくどい、僕らは。

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『謙也ー？！』




電話が繋がらぬ。



30分過ぎてるけど！？ね！？






そこに見覚えのあるシルエットが1人…ん？2人？




『雅史やん』



栗山｢あれ、どーした？誰かと待ち合わせ？｣



『謙也がこーへんねん』



先飲む？と、勧められ店内に入ると

いらっしゃいませｰ!!!と威勢のいい声が聞こえる。





栗山｢なんでこんな居酒屋……｣





雅史はなにか呟いたみたいだけど
よく聞き取れなかった。





あれ、もう1人いた気がしたんだけどな。





…気のせいか。





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雅史の携帯が鳴る。





『ダサくない、その着信音』

栗山｢うるせーな｣





栗山｢もうすぐ来るって｣





謙也か。

なんで遅れたんか聞かんと……







栗山｢謙也、来ないよ｣







『は？』





誰が来んねん、言葉に出す前に

愛しの嫁から買い物頼まれたから帰るわ、

そう言い残し、千円札幾らかをテーブルに

おいて去っていく。





『まさか……そんなわけあるかいな』





自分の考えに苦笑を浮かべた。






こうやって一対一で話す資格なんかないし。







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