大空565 ページ28
Noside
「まぁまぁ、何だかんで活気があったのは事実さね」
「やな、活気だな」
「で、何処に行くんだい？」
「フューレンだ。ついでに、目的地関連で依頼があれば受けておこうと思ってな。何かないか？」
「ちょいと待ちな」
そんな風に雑談しながらも、仕事はきっちりこなすキャサリン。
早速、フューレン関連の依頼がないかを探し始める。
「う〜ん、おや。ちょうどいいのがあるよ。商隊の護衛依頼だね。ちょうど空きが後5人分あるよ……どうだい？受けるかい？」
キャサリンにより差し出された依頼書を受け取り内容を確認するハジメたち。
確かに、依頼内容は商隊の護衛依頼のようだ。
中規模な商隊のようで15人程の護衛を求めているらしい。
ユエとシアは冒険者登録をしていないので、ハジメと香織とカエデとヨミとスクアーロの分でちょうどだ。
「連れを同伴するのはOKなのか？」
「ああ、問題ないよ。あんまり大人数だと苦情も出るだろうけど、荷物持ちを個人で雇ったり、奴…隷を連れている冒険者もいるからね。
まして、ユエちゃん、シアちゃん、ヨミちゃん……それからそっちの2人の男も結構な実力者だ。
2人分の料金でもう3人優秀な冒険者を雇えるようなもんだ。断る理由もないさね」
「そうか、ん〜、どうすっかな？」
ハジメは少し逡巡し、意見を求めるようにカエデたちの方を振り返った。
「……急ぐ旅じゃない」
「そうですねぇ〜、たまには他の冒険者方と一緒というのもいいかもしれません。ベテラン冒険者のノウハウというのもあるかもしれませんよ？」
「急いでも仕方ないしたまにはゆっくりでもいいと思います。」
「俺も特に異論は無い」
「……そうだな。そうするか」
ハジメは皆の意見に「ふむ」と頷くとキャサリンに依頼を受けることを伝える。
「あいよ。先方には伝えとくから、明日の朝一で正面門に行っとくれ」
「了解した」
ハジメが依頼書を受け取るのを確認すると、キャサリンがハジメの後ろの香織とユエとシアに目を向けた。
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