虹空558 ページ13
［Noside］
魔法陣の中に入るカエデたち。オルクス大迷宮攻略者の4人は経験済みなので無反応だったが、シアは初めての経験にビクンッと体を跳ねさせた。
ものの数秒で刻み込みは終了し、あっさりとカエデたちはミレディ・ライセンの神代魔法を手に入れる。
「さてと、もう知っていると思うけど、ミレディちゃんの魔法は重力魔法。上手く使ってね…って言いたいところだけど、白髪君と目付き悪い君とウサギちゃんと銀髪君は適性ないねぇ〜もうびっくりするレベルでないね！」
「やかましいわ。それくらい想定済みだ」
「俺も魔法を使えることに端っから期待していない」
ミニ・ミレディの言う通り、ハジメとカエデとシアは重力魔法の知識等を刻まれてもまともに使える気がしなかった。適性がないのだろう。
「まぁ、ウサギちゃんは体重の増減くらいなら使えるんじゃないかな。白髪君は……生成魔法使えるんだから、それで何とかしなよ。目付き悪い君と銀髪君はまぁ、私の知らない死ぬ気の炎でがんばって！
金髪ちゃんと黒髪ちゃんは適性ばっちりだね。修練すれば十全に使いこなせるようになるよ。
白髪ちゃんも金髪ちゃん程じゃないけど、十分に適性あるよ。きっと今後も使えるだろうね」
ミニ・ミレディの幾分真面目な解説にハジメとカエデとスクアーロは肩を竦め、香織とユエとヨミは頷き、シアは打ちひしがれた。
落ち込むシアを尻目に、ハジメは更に要求を突きつける。遠慮、容赦は一切ない。
「おい、ミレディ。さっさと攻略の証を渡せ。それから、お前が持っている便利そうなアーティファクト類と感応石みたいな珍しい鉱物類も全部よこせ」
「……君、セリフが完全に強盗と同じだからね？自覚ある？」
歪んだニコちゃんマークの仮面がどことなくジト目をしている気がするが、ハジメは気にしない。
ミニ・ミレディは、ごそごそと懐を探ると1つの指輪を取り出し、それをハジメに向かって放り投げて、ハジメは受け取る。
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