大空552 ページ2
Noside
ハジメは、それぞれにそう言うやいなや、��宝物庫��から再びオルカンを取り出す。
香織とカエデとヨミとスクアーロもリヒト、銃、杖、剣を取り出す。
そして落ちてくる巨石に対して死ぬ気の炎を纏わせたロケット弾や銃弾を連射した。
それらは次々と大爆発を起こすと巨石を粉砕していく。
巨石群の落下に呑み込まれ地に落ちていた浮遊ブロックが天上の残骸と共に空間全体に散開するように浮かび上がる。
「う〜ん、やっぱり、無理だったかなぁ〜、でもこれくらいは何とかできないと、あのクソ野郎共には勝てないしねぇ〜」
ミレディは、そう呟きながらハジメたちの死体を探す。
「そのクソ野郎共には興味ないって言っただろうが」
「他人の話はちゃんと聞こうよ」
「えっ？」
聞き覚えのある声が響いた。
不遜でマイペース、見たこともないアーティファクトと死ぬ気の炎を操る白髪眼帯の少年と黒髪の少女、そうハジメと香織の声だ。
驚愕と僅かな喜色を滲ませた声を上げて背後を振り返るミレディ。
そこには、確かに目や鼻から血を流していたり荒い息をついたりしてはいるものの五体満足のハジメと香織が浮遊ブロックの上に立ってミレディを睥睨していた。
「ど、どうやって……」
自分の目には確かに巨石群に呑まれたように見えたハジメが、目の前にいることに思わず疑問の声を上げるミレディ。
そんな彼女にハジメは、ニィと口の端を吊り上げて笑う。
「答えてやってもいいが……俺ばかり見ていていいのか？」
「えっ？」
「そうそう私たちがいるってことは？」
先程と同じ口調で疑問の声を上げるミレディ。
だが、その疑問は香織の言葉と直後の魔法の直撃という形で解消された。
「��破断��！」
ユエの凛とした詠唱が響き渡り、幾筋もの死ぬ気の炎を纏わせていない水のレーザーがミレディ・ゴーレムの背後から背中や足、頭部、肩口に殺到する。
着弾したウォーターカッターは各部位の表面装甲を切り裂いた。
「あれれ〜？どうしたのぉ〜？死ぬ気の炎を纏わせた攻撃ならともかく、こんなの何度やっても一緒だよぉ〜、両腕再構成するついでに直しちゃうしぃ〜」
「そんな暇は与えないよ」
「あぁ、これでも喰らいな」
振り向きもせず余裕の雰囲気でユエの魔法を受けきったミレディ・ゴーレムに、ハジメがアンカーを打ち込みながら香織を抱き付かせて一気に接近する。
片手にはシュラーゲンを持っている。
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