大空496 ページ40
Noside
カエデ達の口からどんどん出てくる正論にぐうの音も出ない長老衆だがやがて顔を見合わせヒソヒソと話し始めた。
そして、結論が出たのか…代表してアルフレリックがそれはもう深々と溜息を吐きながら長老会議の決定を告げる。
「はぁ〜、ハウリア族は忌み子シア・ハウリアを筆頭に、同じく忌み子である南雲ハジメの身内と見なす。
そして、資格者南雲ハジメに対しては、敵対はしないが、フェアベルゲンや周辺の集落への立ち入りを禁ずる。
以降、南雲ハジメの一族に手を出した場合は全て自己責任とする……以上だ。何かあるか?」
「いや、何度も言うが俺は大樹に行ければいいんだ。こいつらの案内でな。文句はねぇよ」
「……そうか。ならば、早々に立ち去ってくれるか。ようやく現れた口伝の資格者を歓迎できないのは心苦しいが……」
「気にしないで下さい。全部譲れないこととは言え、相当無茶言ってる自覚はありますから…むしろ理性的な判断をしてくれて有り難いくらいですよ」
ヨミの言葉に苦笑いするアルフレリック。
他の長老たちは渋い表情か疲れたような表情だ。
恨み辛みというより、さっさとどっか行ってくれ!という雰囲気である。
その様子に肩を竦めるハジメはカエデ達やシア達を促して立ち上がった。
しかし、シアたちハウリア族は未だ現実を認識しきれていないのか呆然としたまま立ち上がる気配がない。
「おい、何時まで呆けているんだ?さっさと行くぞ」
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