大空491 ページ30
宗三左文字side
「アルフレリック……貴様、どういうつもりだ。
なぜ人間を招き入れた？こいつら兎人族もだ。忌み子にこの地を踏ませるなど……返答によっては、長老会議にて貴様に処分を下すことになるぞ」
それに対して、アルフレリックはどこ吹く風といった様子だ。
「なに、口伝に従ったまでだ。お前たちも各種族の長老の座にあるのだ。事情は理解できるはずだが？」
「何が口伝だ！そんなもの眉唾物ではないか！フェアベルゲン建国以来一度も実行されたことなどないではないか！」
「だから、今回が最初になるのだろう。それだけのことだ。お前たちも長老なら口伝には従え。それが掟だ。我ら長老の座にあるものが掟を軽視してどうする」
「なら、こんな人間族の小僧が資格者だとでも言うのか！敵対してはならない強者だと！」
「そうだ」
あくまで淡々と返すアルフレリック。
熊の亜人は信じられないという表情でアルフレリックをそして1番近くにいた主を睨む。
「……ならば、今、この場で試してやろう！」
いきり立った熊の亜人が突如、主に向かって突進した。
あまりに突然のことで周囲は反応できていない。
アルフレリックもまさかいきなり襲いかかるとは思っていなかったのか驚愕に目を見開いている。
そして、一瞬で間合いを詰め、身長2メートル半はある脂肪と筋肉の塊の様な男の豪腕が、主に向かって振り下ろされた。
その時の怒りに身を任せて勝手に顕現して熊の亜人族に僕はいや僕達はそれぞれ本体を向けていた。
「主に拳を向けるなんて死にたいの？」
「こんの野郎…！ぶっ殺してやろうか？」
「兼さん、落ち着いて…まぁ僕も落ち着けないかな？」
「主を守れないなんてカッコつかないんでね？」
「あっははは！主に攻撃は良くないぞ」
「戦いは嫌いです…ですが主を攻撃するなど許せません…」
「主を殺すつもりなら僕が復讐してあげるよ？まぁ、今の行動で怒ってるのは僕達だけじゃないけどね？そうだよね？山姥切、歌仙、鯰尾、五虎退、小狐丸さん」
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