大空484 ページ16
宗三左文字side
「あぁ!?まだ状況が理解できてねぇのか!てめぇは、震えながら許しをこッ!?」
ドパンッ!!
想像した通りにハジメが怯えないことに苛立ちを表にして怒鳴る小隊長だったが、その言葉が最後まで言い切られることはなかった。
なぜなら、1発の破裂音と共に、その頭部が砕け散ったからだ。
何が起きたのかも分からず、呆然と倒れた小隊長を見る兵士たちに追い打ちが掛けられた。
1発しか聞こえなかった銃声は、同時に、6人の帝国兵の頭部を吹き飛ばした。
実際には6発撃ったのだが、ハジメの射撃速度が早すぎて射撃音が6発分しか聞こえなかったのだ。
突然、小隊長を含め仲間の頭部が弾け飛ぶという異常事態に兵士たちが半ばパニックになりながらも、武器をハジメたちに向ける。
早速、帝国兵の前衛が飛び出し、後衛が詠唱を開始する。
だが、複数の銃声が鳴り響いたのと同時にその後衛組の頭部が吹き飛んだ。
しかし、今のはハジメの仕業ではなかった。
そして、ハジメはバッチリと見た。
速すぎる銃弾にオレンジの炎が纏われていたことを……。
「師匠…」
それを撃ったのは、主だった。
主の攻撃で、密集していた10人以上の帝国兵が即死した。
聞こえなくなった詠唱に、思わずたたらを踏む突撃中の前衛7人。
何事かと、背後を振り向いてしまった6人は、直後、他の仲間と同様に主と主の友人の手によって、頭部を撃ち抜かれてたり切り刻まれたりして崩れ落ちた。
血飛沫が舞い、それを頭から被った生き残りの1人の兵士が、力を失ったように、その場にへたり込む。
「うぉぉおい!!これで終わりか?骨の無い奴らだな!!俺は1割も出してねぇぞぉ…」
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