虹空044 ページ10
[Noside]
演奏の凄さに感動した少年探偵団達がスクアーロの周りに集まる。
はしゃぐ子供達に囲まれたスクアーロは心底鬱陶しそうにしながら怒鳴っていた。
「ぬ、主様…カエデの所に行かないのですか?」
「えぇ、スクアーロさんの周りに少年探偵団の皆さんが行き私も行ったら大所帯になりますので。後で行きますよ、五虎退」
「…主様……本音は?」
「…断るとわかっていて嫉妬してる自分が恥ずかしくてカエデさん達の所に行けません」
「主様……」
そんな中、獄寺がビアンキの顔を間近で見てしまい吹き倒れた。
「だ、大丈夫…?獄寺君」
何とか意識を保てた獄寺は起き上り、咳き込みながらも答える。
「し、心配には及びません…これくらい、平気ですので…」
「いや、平気じゃないだろ。仮眠室で休んでいいんだぞ」
あと一回、いや確実にビアンキの顔をみたら意識を失うであろう獄寺。
ディーノは気遣って仮眠室を勧めたが、獄寺は拒む。
「余計な御世話だ…それにキッドが指輪を狙っているかもしれねぇのに呑気に寝れるかよ…」
「でもそんな状態だと、いざって時に動けねぇのな」
「どんな状態でも動けねぇようなら、俺は右腕と呼べねぇよ」
「しょうがない奴だな・・」
獄寺の右腕としての強い意志にディーノたちの方が折れた。
「だが、本当に辛かったら言うんだぞ」
「だから平気だって言ってるだろ・・・」
そういうも獄寺の顔は青く起き上がれないのか、未だに床に腰を下ろす状態である。
コレは姉・ビアンキが側にいる限り体調は治らないためどうすることも出来ない。
これは仮眠室行きだな。と、誰もが思った。
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ