逆行した2人は怪盗キッドから指輪を守りますPart2 (ページ9)

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大空043 ページ9

Noside

「あの…」

「あぁ？何だよ」

「貴方にどうしても伝えたい事がありまして」

ベルニーニ社長がカエデ達から去って暫くした後、ソフィアがスクアーロの所に訪れた。

何処となくソフィアは演奏する前と違い、スッキリとした表情を浮かべている。

「私は此れからもピアノを弾いていこうと思います。どんなに時間が掛かっても練習を続けて、いつかお世辞でなく本心で上手と言われるように頑張っていきます」

「勝手にやれば良いだろ。わざわざ俺に言う必要はねぇ」

素っ気ないスクアーロに対し、ソフィアは首を横に振る。

「いいえ、貴方のお陰で音楽が嫌いにならずに済みましたもの。だから、ありがとうございます。それと……」

ソフィアはニコリと微笑む。

「いつか、あなたに上手と褒められたいので待っててください」

「やるじゃん、主の右腕さん」

その言葉に鋭い人達は察した。
その中には、顔を赤くする者、ニヤニヤと笑う者もいた。

「それでは失礼します」

ソフィアは言いたい事だけ言い終わるとカエデ達に会釈をし離れていった。

スクアーロはソフィアの去る背中を見つめながら首を傾げる。

「？何で俺に褒められたいんだ？」

「鈍いな、あんた」

「ふふ、良かったですね、スクアーロさん」

乙女心が分からないスクアーロはソフィアの言動の意図に気付かずそう解釈する。