逆行した2人は怪盗キッドから指輪を守りますPart2 (ページ6)

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虹空042 ページ6

［Noside］

自分とは少ししか生きていない青年に、屈辱を味わされるとは思っていなかったベルニーニ社長は、顔を剣幕な表情で体を小刻みに震えさせた。

「……君の言う様に娘にはピアノの才能は無いのかも知れない…だが…」

ベルニーニ社長は殺気にも近い眼差しでスクアーロを睨む。

「君のような品のない、ましてや芸術も感性もないような大人に言われたくはないものだ」

少なくとも君よりは娘の音楽の才能はあると呟いた。
外見はともかく言葉が悪い姿を見て、スクアーロは手の付けられない問題児なのだろうと判断したベルニーニ社長は見下すような言い方をする。

「まぁ、このような場をわきまえない子供相手の言葉に私も大人気なかった。此れからはカエデ様の元で自分の立場をキッチリ教えて頂くと良い」

そう嘲笑うベルニーニ社長に対しスクアーロは無言でピアノがある方へ足を運んだ。
ピアノの前まで来たスクアーロにまだ椅子に座っているソフィアはたじろいでしまう。

「あの…えっと……」

「其処を退け」

「えっと……はい」

ソフィアは素直にピアノからを離れると、変わりにスクアーロがその場に座る。
スクアーロは視線を鍵盤に向けたままソフィアに話しかけた。

「おい、あんな演奏をするなら二度とピアノを弾くんじゃねぇ」

「……っ！！」

スクアーロの言葉にソフィアはドレスのスカートを強く握り締める。
スクアーロの冷たい言葉にソフィアを震える唇を動かす。