虹空060 ページ42
［Noside］
それに綱吉の今までの行動は誰が見でもごく一般家庭で育った臆病な高校生としか思えない。
「だがそのマフィアは血縁重視らしいからな、あの沢田って子供も一応血を引いてるんだろ」
「まぁ、そういう事になるな」
そして、日本で暮らしている綱吉にまで後継が行くという事も安易に想像ができる。
「おいキッド、その黒ずくめは沢田さん達や指輪について何処まで知っているんだ？」
「何処まで知ってるのか俺も分からない。あいつらが日本人の子供がとか、キャッバッローネ社長と親しいから注意しろとしか言ってなかったし」
「(じゃあ、黒ずくめ達は沢田さん達を詳しく知っている可能性があるのか)」
「そいつらは子供を始末をしてでも手に入れると言っていたからな、流石に子供が殺されるのを知っていて見て見ぬふりは出来ねぇだろ」
「じゃあ、お前は指輪を狙っているわけじゃないのか？」
「ああ、ビックジュエルじゃねぇし別にその業界の物に手を出そうとも思わねぇよ」
キッドの言っている事も一理あるが、コナンはどうしても引っかかる事があった。
だが、言ってもはぐらかされると思ったため口に出す事はしない。
「そういう訳なら協力してやるよ」
「じゃあよろしくな名探偵」
協定が出来た事にキッドは満足し、しゃがませてた体を起き上がらせる。
「互いに何かわかり次第、教える事で頼むな。特に大空と呼ばれる指輪をな」
そう言い残すとさっさとその場から去ろうとする。
「おい、キッド！ 指輪について何も聞いてねぇぞ」
指輪についてまだ何１つ言ってない事を思い出し呼び止める。
「残念だが、俺も指輪について知ってるのは指輪に１つずつ天候を表している事しか知らねえよ。だから頼むぞ」
そのまま廊下の角を曲がろうとした時、キッドはある事を思い出し立ち止まった。
「なぁ、名探偵。 お前さぁ...ーーーーー」
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