虹空053 ページ28
[Noside]
「危ないから蘭さんの所に行った方がいいよ」
「私は江戸川君が何かしないか見張っているだけよ」
「危ないって言う事は、やっぱり何かあるんだね? 例えばランボ君とかレヴィさんとかに」
「!」
コナンはクロームと獄寺のペナルティを見ていたため確信があった。
キッドに指輪を盗られた人は、命の危険な目に会うと。
「僕、二人がとても心配なんだ。 何かの役に立てるかもしれないから居たらダメ?」
「ランボを心配してくれてたんだ。ありがとう」
「レヴィは心配しなくてもいいがな」
綱吉は心配してくれた事には、お礼を言う。
カエデはバッサリと心配は要らないと言ったが…。
「でも駄目だよ。蘭さん達の所に帰るんだ」
万が一にペナルティに巻き込んでしまったら大変だと思った綱吉は、コナン達を会場から出そうと説得する。
「蘭さんも絶対に心配しているよ」
「でも…」
「まぁ、いいじゃねぇかツナ」
2人の会話に入って来たのは山本だった。
「この坊主ってキッドキラーって呼ばれて頭がスゲーんだろ? きっと危険な事に会っても打開策とか見つけてくれるかもしれなぜ?」
山本がコナンの方に向くとニカッと笑う。
「何かあったら頼むのな」
「うん!」
「山本テメー、沢田さんの気遣いを無下にしやがって何考えてやがる!」
「まぁ、いいじゃねぇか」
「よくねぇ! 今の状況わかってるのか!?」
ペナルティで呼び集められたので、確実に危険な目に会うのは分かりきっている。
それを呑気に考える山本に獄寺は切れかかる。
「2人とも落ち着いて」
喧嘩が起こりそうな雰囲気に獄寺を抑えてコナンの方に向く。
「コナン君、何かあったら直ぐに会場から逃げるんだよ」
「はぁーい」
「ツナ」
ツナは名を呼んだディーノの方に向く。
そこには申し訳無さそうに眉を寄せるディーノの姿があった。
「悪いな、何も役に立てずキッドに3つも盗らしちまって」
「そんな、ディーノさんのせいじゃないですよ! 」
「いや、援護すると言っておきながら何も出来ていない俺にも責任がある。これ以上、指輪が盗られないようにするぜ」
「ありがとうございます」
盗まれず、尚且つ奪いかえすと言ってくれるディーノに礼を言う。
すると突如、大きな音と同時に会場の壁面が動いた。
「え? 何?」
戸惑っていると真っ白な壁面が天井の方に消えていき、みるみる壁一面が水槽に変わっていった。
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