虹空051 ページ24
[Noside]
「悪いがキッド。俺は戦わないが逃すことは出来ない」
「笹川様! 私はキッドではありません。ディーノ様から全部の扉を閉鎖するよう命を受け至急コンピュータルームに向かう為に出ようとしたのです」
「何ぃー!? そうだったのか! それはすまないことをした!」
「(バカでよかった!)」
キッドの嘘をあっさり信じ簡単に道を開ける了平の頭に感謝した。
了平をすり抜け会場から出ることが出来たキッド。
「(まずい! キッドが!)」
コナンが獄寺からキッドに視線を戻すと、丁度キッドが了平を通り過ぎた場面だった。
このままだと逃げられると思った時、凄い速さでキッドを追い掛ける人影があった。
「(あの人は・・・!)」
キッドは会場から抜け出した事で少し気を緩める。
しかし安心もつかの間、ポンと誰かがキッドの肩に手を置いた。
雲雀だと思ったキッドは青ざめた顔で振り返るが、其処に居たのは得体の知れない煙を出す何かを持ったビアンキだった。
「貴方は、・・・と言いますか、ソレは一体・・・」
「何してくるのよぉ!! ポイズンクッキング!」
「!?」
「!!?」
キッドの顔にビアンキの料理がダイレクトに当たった。
ビアンキが特大のポイズンクッキングをキッドの顔に押し当て倒した。
その様子はコナンだけが目撃した。
一瞬の出来事に驚いた顔を見せるコナン。
惨事の後の光景を見たツナは真っ青な顔になる。
「ビ、ビアンキ!? ・・・って、キッドがぁー!!」
顔にポイズンクッキングを乗せて倒れるキッドを見てツナは悲鳴をあげる。
倒れているキッドは激しい目眩と苦しさと戦っていた。
「(マズイ・・・! い、意識が・・・!!)」
顔に押し付けられた時に料理が少し口に入てしまい体が凄まじく拒絶反応を起こしていた。
全身から汗が流れ出し、脳内では警報音が鳴り続けていた。
異常を起こす体、意識が朦朧する感覚にキッドは危険を感じた。
キッドは手を震わせながらも懐から紅い液体の入った瓶を取り出し、顔からポイズンクッキングを払うと勢いよく液体を口に含む。
「それは・・・一体どこから・・・!」
キッドが口に含む液体に心辺りがあるのか驚いた顔を見せるビアンキ。
キッドはその一瞬の怯みを見逃さず、液体を全部飲み込んだあと、煙玉を出してこの場から消えた。
5人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ