虹空050 ページ22
[Noside]
「(今のうちだ!?)」
雲雀達が他の事で気を取られている間に逃げようとするキッドだが。
「うおっ!?」
キッドの左足に何かが巻き付きその場に倒れる。
「何だ? 足に何か巻きついて…!」
左足を見れば鞭が絡み付いていた。
鞭の持ち主はディーノであり、口元には笑みを浮かべていた。
「悪りぃなキッド。 ここで見逃したら家庭教師にどやされるんでな、大人しく観念してもらおうか」
「それは泥棒としては要望にお応えできません」
キッドは懐に隠してあったトランプ銃で鞭を切ると一気に出口に走り出す。
「あ、待て!」
「(会場にさえ出れば・・・!)」
しかし、出口一歩手前で脇腹に強い衝撃を受ける。
「ぐっ!」
「うむ! 極限に指輪を返して貰おう!!」
キッドを殴ったのはいつの間にか目を覚ました了平だった。
「お兄さんいつの間に起きて」
起きていた事に気付いていなかった綱吉も心底驚く。
「流石、ジュニア界ボクシング大会優勝者・・・お強い。
(痛ぇーー! モロに入った!)」
ポーカーフェイスを崩さずにはいられたが、内心では痛みにもがき苦しむキッド。
少しでも気を緩めれば、痛みで気を失う自信があるほど強烈な拳を食らってしまったのだった。
「だから何回も言わせないでよ」
雲雀はトンファーで了平の顔を殴った。
了平は小五郎達とは違い打たれ慣れている為、倒れるも気絶せずに直ぐ復活した。
「何をする雲雀! 極限に痛いではないか!!」
「キッドは僕の獲物だって言っているだろ。 咬み殺されたいの?」
「俺は言われた通り指輪を取り返そうとしただけだ! 」
「なら僕が咬み殺した後の屍から指輪を探しなよ。 別にキッドと戦いたい訳じゃないだろ?」
「ああ! 極限に構わない!!」
了平があっさり身を引いた。
あっさりし過ぎて呆けているとキッドは雲雀のトンファーを受けてしまった。
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