虹空040 ページ2
[Noside]
「当然出来るに決まってるでしょ! だから真さんが18歳になったら私も結婚が出来るわよ♪」
園子はそう答えながら、自分と京極が綺麗な湖がある自然に囲まれた教会の場所で式を挙げている姿をウットリとした顔で想像する。
「いいわねぇ〜、真さんが18になったらすぐ結婚するのも」
でも恋人の関係でデートも沢山したいとか、若夫婦と言われたいやら何やらと、はしゃぐ園子達に対し、コナンと灰原はカエデ達の方に耳を集中する。
一方、カエデ達とはいうと、一歩も引かないベルニーニ社長に悪戦苦闘していた。
「ですから私にはまだそういった事を考える余裕がないのです。それに彼女もまだ学生の身ですし早いですよ(だから、さっさと諦めろ)」
「確かに結婚となると早いかも知れませんが、そう言ったお話だけなら別に構わないでしょう?」
「(それが狙いなんだろうが、この狸オヤジ)」
ベルニーニ社長の魂胆を察するカエデは内心で悪態を吐く。
もし話だけでもと承諾すれば、今まで縁談の類いを全て断っていたカエデが初めて乗ったと、噂になるのは明らか。
後は、会場にいる人達が嘘か誠か分からない噂を勝手にしてくれる。
そしてその中に、ベルニーニ社長の娘と婚約を結んだ。近々、結婚をする等、盛りに盛った噂を流せばいい。
女性を褒めるのは日常会話で当たり前のイタリア。
そんな噂が流れカエデが否定や拒否をすれば、結婚相手に名が出たソフィア令嬢に恥をかかせてしまう。
カエデはその様な事にさせないためにも、何が何でも話を断らなければならない。
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