虹空036 ページ44
[Noside]
だから、言わなかったら君も咬み殺す。
そう言い残すと、ヒバリは綱吉達と離れた所で壁面に背を預け傍観をする。
先程のヒバリの発言にコナン達は唖然とする。
昨夜のパーティーでウエイターをトンファーで容赦なく殴っていた所を目撃をしているため、ヒバリが冗談を言っていない事はわかる。
ヒバリの獲物を待つ獣の目をする姿を見て皆は思った。
「「((キッド、指輪を返して早くヒバリから逃げろ!!!)))」」
だが、皆の思いは通じず悲劇が起きるのだった。
「…骸の野郎…もう始まったのに…まだ姿を見せないのかよ…」
パーティーは始まりディーノの挨拶回りも終わるほど時間が経ったが、骸は一向に姿を見せない事に苛立つ獄寺。
だが、傍で素顔をさらす姉・ビアンキか居続けることで顔色とお腹はどんどん悪く立っているのが誰でもわかる状態である。
「おい、大丈夫か獄寺?無理して話さなくてもいいのな」
顔色が悪くなる理由を知る山本は爽やかな笑顔で心配する。
「うるせぇ…野球バカに心配されるほど俺は落ちぶれていねぇ…」
「あはは、でも無理はするなよ」
爽やか過ぎる笑顔で言う山本は側にいる少年探偵団達に、このお兄さんは本当に心配しているのかな?と、思われている事を知ることは無い。
そんなやり取りをしている中、綱吉とクロームは会場である気配を感じとった。
「綱吉くん…」
「うん」
クロームはどこか喜びに近い表情を見せ、綱吉は安心した表情を見せる。
安堵する綱吉達の様子にコナンは気づき様子を伺う。綱吉は直ぐ様、ディーノの所に寄り話しかける。
「ディーノさん、獄寺君」
「どうしたツナ?」
「何か…ありましたか?…沢田…さん」
「さっき骸が会場に入って来ました」
「(えっ?)」
綱吉の言葉にコナンは素早く反応をした。
綱吉の言葉にディーノはホッと安心した表情を見せる。
「やっとか…でも何で姿を見せてこないんだ?」
「骸の野郎の考えなんざぁ…知るかよ…」
「うむっ、きっと遅れてしまったのが恥ずかしくて来れんのだろう」
「あはは、そうかもなのな!」
「あいつ…に、そんな感情…が、ある訳、ねぇだろ…が!」
「ねぇ! 何で骸のお兄さんが来た事がわかるの?」
コナンは綱吉の側に駆け寄り、どうやってその事を知ったか尋ねた。
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