虹空024 ページ20
［Noside］
その様子を一部始終見ていた山本は素直じゃない骸に話しかける。
「あはは！ 何だかんだ言ってクロームを心配をしていたのな」
「違います。辛気臭いのが嫌いなだけですよ。それより指輪を奪還するのに僕も協力をしましょう」
クフフ…と、笑いながらクロームに背を向け扉の方へと向かう。
「お、やる気になったのな」
「ええ、当然ですよ…」
山本の言葉に骸は低い声で答える。
「なによりキッドには僕がアルコバレーノに受けた屈辱以上の仕打ちを受けて頂いて貰わないと…」
「クロームのためじゃねぇのかよ！」
自分の受けた屈辱を晴らすために動く骸に獄寺は怒鳴り声で突っ込んだ。
むしろどんなペナルティを受けたか気になってしまう。
「おい骸！忠告しといてやる。私怨で動いて沢田さんを困らす様な事があったら承知しねぇからな」
「クフフ、それは承諾出来かねますね」
そう言葉を残すと骸は部屋を出て行った。
部屋から骸が居なくなると獄寺は眉間にシワを寄せる。
「たくっ、キッドの野郎も面倒な事をしてくれたもんだぜ」
「あはは、キッドも自分の首を自分で締めてるとは思ってないだろうな」
「う、う〜ん…何かキッドが危ない様な気がする…」
「私の予想では、自身の首を絞めてるのに気付かずに次の指輪も盗んで更に自身の首を絞めると思いますよ。
雲の指輪を取ったら……船が壊れる勢いで追いかけられますね！」
綱吉はキッドに死亡グラフがどんどん伸びている感覚に不安になる。
そしてヨミの予想通りキッドはこの後、更に死亡グラフを立てたのであった。
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