大空023 ページ19
Noside
コナンは声の方に向けば驚いた。
何故ならさっきまで居なかった扉の前に、オッドアイの青年が立っていたからだった。
「(扉の開く音がなかったぞ!いつの間に・・・?)」
オッドアイの青年に警戒するコナンや中森警部達に対し、ツナは平然と話しかける。
「もしかしてクロームの事が心配で来てくれたのか骸」
「まさか、なぜ僕が心配をしなくてはいけないのですか」
勘違いしないで下さい。と骸は不本意そうな顔をする。
骸は見知らぬコナンたちを気に留めず真っ直ぐクロームの方へ進む。
「ごめんなさい骸様」
「別に謝る必要はありませんよクローム。貴女では指輪を守り切るなんてこと最初から出来ないと思っていましたから」
「……」
骸の冷たい言葉にクロームは唇を噛み締める。
実際に指輪を盗られてしまったため何も言い返せれないクロームは俯いてしまう。
「む、骸!何もそんな言い方をしなくても」
「本当の事を言って何が悪いのです? 優しく言ったところで盗られた事実は変わらないですし、むしろ優しく接することで傷つける時もあるのですよ」
「でも他に言い方が…」
「ボス、いいの、骸様の言う通りだから」
骸に怒るツナにクロームは止める。
「クローム」
止められたツナは何て言えば良いのか分からず困っていると骸はクロームに話かける。
「クローム、指輪を盗られたことで謝罪するのは構いませんが、その辛気臭い顔は止めなさい。見ていて不愉快です」
「ごめんなさい」
謝るクロームの姿に骸はため息を吐く。
「いいですかクローム、どんなに自分を責めようが落ち込んでいようが盗られた指輪は戻ってきません。それなら毅然とした態度でキッドから指輪を取り返すのが得策です」
それに。と、言った所でクロームは顔を上げ骸を見る。
骸の顔は何処となく優しい表情をしていた。
「友人を思うなら笑顔でいなさい。暗い顔はただ悲しませるだけなのですから」
「…っはい!」
「……」
ミカはコナンたちに見えないように虹のリングに晴の炎を灯してクロームの身体を癒した
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