大空419 ページ45
NOside
「そうか……もしかしたら…」
「主、どうしたんだ?」
「少し、ここで待っててくれるか。
なに、ちょっと確認してくるだけだ」
そう言い残し、小屋の中へと消える。
そして、10分ほど経った頃。
「あったぞ。お前ら」
5振「「「「「えっ!?」」」」」
出て来て早々、衝撃の言葉を言う楓。
「どういうことだ?あったってなにが……」
「まぁ、言葉より実物だ。着いて来てくれ」
カエデはクルリと体の向きを変え、歩き出す。
5振は顔を見合わせて、それに着いて行く。
「多分ここだ」
5振「「「「「????」」」」」
連れて来られたのは、小屋の中…ではなく、小屋の裏。
そこには、ただの古ぼけた壁しかない。
「ここに何が……?」
「まぁ、見てろ」
そう言って、カエデはしゃがむ。
その背中を5振は無言で見つめる。
カエデは、壁に跪くような形で、壁から近い地面に右手を置いて、目を閉じる。
その瞬間。
バシンッ!!と電気音が響いた。
「なに!?」
「今の音は?」
5振はカエデに視線を移した。
丁度、スッと立ち上がるカエデ。
「ビンゴ」
そう小さく言うカエデの右手は、血が滴っている。
「っ!?主、血が…!」
「まさかさっきので!?」
慌ててカエデに駆け寄った骨喰と愛染は、カエデの手を取る瞬間、ふとカエデの視線の先を見た。
残りの3振も、彼女が手を置いた所に目をやった。
そして、驚愕する。
「お前らの言う通り、小屋にはなにもなかった…それは俺も確認済みだ。
だが、俺は一つ引っかかることがあった。
この小屋の外と室内…
ほんの些細な、とても小さな違和感があった。
その違和感の正体は___________"結界"だ」
カエデの視線の先には、地面ではなく、地下へ続く梯子が備え付けられた……人1人が入れるであろう大きさの正方形の穴があった。
「結界で、この穴をただの地面にしていたようだ。
もう解除したが、予想以上に強力な結界だったな」
カエデは、右手から垂れる血を袖で拭き取った。
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