虹空300 ページ6
[Noside]
「きゃあああっ!!」
「ミラ姉!!」
吹き飛ばされたのはミラの方だった。しかもたった一撃でサタンソウルが解除される程のダメージを負ってしまう。
何とか立ち上がったミラだがセイラは今までの上品さをかなぐり捨てたような言葉を放ちながら猛攻を仕掛けてきた。致命打を何とか避けつつセイラをテイクオーバーしようとするが……
「無駄だ!私にそんなものは効かん!!我は我に命令する!目の前の敵を八つ裂きにせよ!!」
「あぁああっ!!」
「ミラ姉ぇっ!!……あうっ!」
「ファファファ!セイラ様が本気になったからにはアイツも終わりだよ。じっくりと姉が殺されるのを見なよ……所でさっきのイケメン紹介して」
蹂躙される姉を助けようとしたリサーナをラミーが押さえつける。エーテリアスフォームになったセイラは自分自身にマクロをかけ、さらに魔眼を解放したことによって圧倒的な力を発揮していた。
圧倒的な暴力に曝されたミラは子供の頃の記憶を思い出す…教会に巣くう悪魔を退治した代償として右腕が変質して村人達から悪意を向けられるようになってしまう。それが自分だけなら耐えられたがエルフマンとリサーナにも向けられるのは耐えられなかった。
村を出てフェアリーテイルに拾われた後も二人はすぐに馴染めたが自分はそうではなかった。
ミラは自分の力が嫌いだった。
悪魔の力を宿すサタンソウル……それは自分だけでなく周りの人間にも悪意をもたらすと考えたからだ。
二人が笑顔でいるのを嬉しく思い、安心して一人でフェアリーテイルを去ろうと思ったが二人は自分と同じ魔法を覚えてこれでお揃いだと言ってくれた。
フェアリーテイルの仲間達は誰一人としてサタンソウルに悪意を向ける事なく逆に凄いと言ってくれた。
本当はカエデとヨミに初めてサタンソウルを見せる時は躊躇した……2人なら大丈夫と信じていたがもしも悪意を向けられたらと思うと怖かった。
『怖くないの?2人とも……』
『何でですか?』
『だってこれ……悪魔の力だし……姿も悪魔みたいだし……』
『全然。世の中にはもっと悪魔みたいに怖い奴らもいるらしいしな……』
ヨミはその言葉を聞いてもう1人の大空の周りにいる人達やカエデの弟の姿を思い浮かべ小さく笑った。
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