虹空307 ページ20
[Noside]
「いや……嫌いでもいい……だってあたしは……大好きなの……」
「だからガキだっつてんだよ……そんなセリフは好きな男にとっておけ……」
そう言いながらアクエリアスは苦笑する。ルーシィの未来が見れないのは残念だがフェアリーテイルにいればルーシィも悲しみから立ち直れるとアクエリアスは確信していた。
「何をゴチャゴチャ言うとんのや!もう怒ったで!二人纏めて粉々にしたるわ!!」
「ルーシィ早く!!」
「し ねやぁっ!!……ぐはあっ!!」
「えっ……?」
「あっ……ああ……」
「遅れてすまない……誰も犠牲になんてさせない!」
水の流れに逆らって近寄って来ていたジャッカルを横から高速で殴り飛ばしたのは気絶したヨミを抱えるカエデだった。
「カエデ!やっぱり無事だったのね!!」
「(嬉しそうな顔しやがって…)」
アクエリアスは呆れたように溜め息をつく……さっきまで泣いていたのにもう笑顔になっている。
「いったいわ〜……けどワイに触ったな!出てきたばっかやけどオノレはもう終わりや!!ドカンと弾けろや!!」
ジャッカルは起き上がりながら乱入してきたカエデを睨み付ける。そしてジャッカルの呪力を思い出したルーシィが叫ぶ。
「カエデ!ソイツに触った所は爆発するわ!」
「もう遅いわ!!早よドカンと弾けんかい!!」
カエデがジャッカルを殴った右手にその場の視線が集中するが……
「……は?何や!?何で何も起こらんのや!?」
「無駄だ。お前の呪力は俺の炎が調和して無力化した。俺には通用しない」
「何やとぉぉっ!?そ……そんなアホな……」
「凄いわカエデ!!」
「くっ……なら直接体に触れて爆発させてやるからなぁ!!」
「その前に……頭上注意だ」
「何やと!?……ってのわあっ!!テ……テンペスター何やっとんねん!?」
テンペスターが真上から落ちてきてジャッカルはその下敷きになってしまった。さらに……
「雷竜方天戟!!」
「のわあっ!!」
「ヌッ……!!」
雷の槍がテンペスターを追ってジャッカル共々串刺しにしようと迫る。だが二人はもつれ合いながらも紙一重でその槍を躱した。
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