大空305 ページ17
NOside
エルザの前から姿を消したキョウカはタルタロスのマスターのENDの代理でもある現在の最高責任者の冥王マルド・ギールの前に跪いていた。
キョウカは現状を報告して打開策を提案する。
「冥王マルド・ギール様、敵の力は予想以上です。ENDを復活させましょう」
現在の状況は九鬼門のうち、フランマルス、エゼル、セイラがやられてしまっていた。
更に九鬼門が復活する為に必要な施設であるヘルズ・コアさえも破壊されてしまっている。
「それは不可能だ。マスターを蘇らせる為には呪力が足らぬ。大陸中の魔力を消しさらなければな……」
「しかし!その為のフェイス計画も失敗に終わり、最早大陸中の魔力を消すすべは……」
「心配はいらん。このマルド・ギールは完全なる策略家、大局的にはフェイスの崩壊も予定通りということだ。それよりも……」
マルド・ギールが右手をキョウカに向けるとどこからともなく荊が現れてキョウカを拘束する。
「な!何を……」
「貴様は捕らえた人間で遊んでいたな?これは罰だ。虫ケラ以下の人間で遊んでいた貴様に与えるな……」
「がっ……はっ……マルド……ギール様……!」
「ん?何か言いたい事でもあるのかな?」
荊がキョウカの体をきつく締めつけるがそれでも伝えたい事があるのかキョウカは声を搾り出そうとする。
それを見たマルド・ギールは少しだけ荊を緩めた。
「はあっ!はあっ!……奴らの中にリリスを完全に消滅させた者がいます!我らエーテリアスにとっての天敵とも言える人間です!何としても始末せねば!」
「何……?あのリリスを……そのような虫ケラが存在するのか?……ならばアレグリアを発動させるか」
自身に匹敵しうる力を持っていたリリスの消滅にマルド・ギールは新たな一手を打つ事にしたのだった。
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