大空027 ページ10
ＮＯside
図書館
「おや。E組の皆さんじゃないか。
もったいない。君たちにこの図書室は豚に真珠じゃないのかな？」
言って現れた四人の人物。
「誰ですか？」
「例の五英傑さん達。と、言っても浅野くんは居ないけれど」
ミカの質問に中村が説明する。
「どけよ。ザコ共。そこ俺らの席だからとっとと帰れ」
「なっ何をぅ！？ 参考書読んでんだから邪魔しないで!!」
「茅野。読んでる本、見えているよ」
現代文の教科書に隠して世界のプリンを見ていた茅野にツッコミを入れる渚。
ザコと言ったやや意地の悪い印象を与える瀬尾も呆れている様子だ。
「ここは俺達がちゃんと予約をとった席だぞ」
「そーそー。クーラーの中で勉強するなんて久々でチョー天国」
「……ジャッポーネじゃ、約束事は守るものだと思っていましたが……。違うのですか？」
磯貝に中村、そしてミカが言う。
「君たちは本当に記憶力ないなぁ。この学校じゃ、E組はA組に逆らえないの！ 成績が悪いんだから」
「さっ……逆らえます！」
ぼさぼさの髪の毛に黒縁眼鏡の野暮ったい印象の小山の言葉にそう反論したのは、奥田だった。
「口答えすんな。生意気な女だ。おまけにメガネのせいで芋臭い。ギシシシ。なぁ。荒木」
「おっ……おう。小山」
黒縁眼鏡と言うやぼったい眼鏡をかけた小山の言葉に眼鏡をかけた丸顔の荒木が頷く。
「……ジャッポーネじゃ男尊女卑なんて言葉があると聞いていました……。本当らしいですね。
イタリアじゃ、女性にそんな口をきくやつは居なかったですよ？
ジャッポーネには天につばを吐くと言う言葉と鏡を見ろ。と、言う言葉もあるんじゃないですか？」
言ったのはミカだ。
「ああ？ お前はたしかイタリアからの転校生だったな。そりゃ、どう言う意味だ？」
「自分で考えてください」
ＮＯside終
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