大空242 ページ44
カエデside
「冗談はやめろ…俺はヴァリアーだ。お前と婚約すれば…上層部がうるせぇ」
「そんなの関係ありません!!」
「γがうるせぇし…お前の母親は笑顔でおめでとうとか言いそうだな…」
俺は窓の外を見ながら動かせる手でヨミの手を重ねた。
カエデside終
XANXUSside
夜。
そんなことを考えていると、ノックもなしに扉が開いた。
「やっ。さっきぶり。」
小さな羽を生やし、宙で胡坐をかいている白蘭。
「ノックもなしとは良い度胸じゃねぇかぁ。」
「ノックして僕だって言うと入れてもらえないでしょ？」
ここにいる全員、白蘭に対していい気はない。
未来でコイツがしたこと故に。だが未来とは違うことも分かっている。
「XANXUS君に用があってさ♪」
「何の？」
俺の向かいに浮く白蘭。
「その腕、治してあげよーか？」
「え…………」
「そんなことできるの？」
「パラレルワールドの知識を使えばね。」
全員が呆気に取られる。
その中で変わらぬ調子で続ける。
「リボーン君とユニちゃんに聞かれたんだ。『パラレルワールドの知識でXANXUS君の腕を治せるか？』ってね。」
「ほら。山本君のケガ治したみたいなもんだよ。XANXUS君の腕回収してるでしょ？」そう続ける白蘭。
確かにアイツがコイツにケガを治してもらったというのは知っている。
「本人が望むならね。僕だってお人好しじゃないんだ。望まないなら、治さない。」
「貴様！」
「治せるかもって言いに来ただけ？」
「そっ。」
「それだけか？」
「？」
「てめぇが俺の腕を治す、メリットがねぇ。」
メリットなしに治すなんざ、それこそお人好しだ。
そこまでする理由がコイツにはない。
「あるよ。」
XANXUS君の腕を治すメリット。
僕の言葉にピクリと反応したXANXUS君。
「ボンゴレに貸しを作る、なんてことじゃねえだろうなぁ？」
「そんなことじゃないよ。それにそれしたって意味ないしね。」
今の僕はボンゴレの監視下。
いまは普通にヨミちゃん達と遊んでるしね。
大切なことを知った今の僕に未来の僕みたいな考えはない。
それに、あれも全部マーレリングがあってこそだったから。
「なんだよ。お前のメリット。」
「単純なことさ。それにXANXUS君にとっても良いことだと思うよ？」
それだけじゃない。ここにいる皆にとって良いこと。
XANXUS君をまっすぐ見ると余計に眉間に皺を寄せる。
「ユニちゃんの笑顔が見れる。」
白蘭side終わり
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 20人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
