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真希「今日A休みか?」
ポニーテールに眼鏡をかけた女子生徒、禪院真希が辺りを見渡した後隣のパンダに問いかけた。今の時刻は8:00、暦は5月下旬で徐々に蒸し暑くなっていく季節ではあるが、この時間帯はまだ過ごしやすい気温だ。
パンダ「らしいな。夜中の二時ぐらいに帰ってきたらしいけどまた任務入ったみたいだ」
棘「こんぶ、ツナ」(ちゃんと寝れてるかな)
おにぎりの具しか語彙がない男子生徒、狗巻棘が心配の言葉を呟いた。なお、パンダが人間の言葉を話すことも棘がおにぎりの具で話すのも彼らにとっては日常茶飯事である。
真希「……あいつの事だからまた飯とか睡眠とか二の次にしてるだろうな。」
真希が呆れたように溜息をつく。Aの生活習慣
決して良いものとは言えず、時折真希やパンダに諌められている。
パンダ「今は繁忙期だからな、多少の崩れはあるだろうさ……Aの場合、あんまり関係ない気もするがな」
棘「……しゃけ」
肯定の意を示す棘は遠い目だ。入学してからそれほど経っている訳では無いが、この生徒数の少なさ故に交流は必然的に多くなる。そのため、各々のある程度の生活リズムや好みは少しづつ理解していっている現状だ。
真希「……あ」
パンダ「おっ、話をしてたらなんとやらってやつだな」
視線の先には疲れきった様子のAがちょうど帰路を辿っている最中だった。Aもこちらに気がついたのか歩いてきている。
パンダ「おつかれさん。今帰ってきたとこか?」
『ああ。……流石にしんどい』
真希「そりゃそうだろうな。ま、寮戻ってさっさと寝とけ。さすがにもう任務はないだろ?」
『これで任務入ってたらボイコットしてる……とりあえず戻って寝るよ、五条先生によろしく言っといて』
棘「しゃけ」
そのまま寮に戻っていくAの姿を確認したあと 、棘たちも一限目の教室へと向かっていった。
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作者名:Y.N | 作成日時:2022年12月2日 15時