君の1番になりたい【HQ 佐久早聖臣】 (ページ38)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:55,731 hit

37 ページ38

放課後、部活が終わった佐久早君が音楽室に迎えに来てくれて一緒に学校を出る。
ちなみに花は古森くんに送ってもらうみたいだ。

佐「まだ暑いな」

『そうだね』

佐「……来週、花火大会だな」

『毎年凄い数上がってるやつだよね！』

佐「うん」

『私、見に行ったこと無いんだよね』

佐「…無いの？小春とも？」

『うん。花の家では家族で毎年見に行ってるから。他のは一緒に行った事あるんだけどね』

佐「へー」

『佐久早君は？古森君と行ったりしてたの？』

佐「まあ、そうだな………でも今年は」

突然手を繋がれ、立ち止まる。

佐「…三好と行きたい」

ギュッと握られた手からは少しだけ熱が伝わる。

『…本当？』

佐「こんなんで嘘つくわけ無いだろ」

『私も…佐久早君と見たい、花火』

私の言葉に満足そうに少しだけ笑う佐久早君。
でもいつも菌が、って言ってるのに、人の多い花火大会なんて、大丈夫なのかな…？

『本当に…大丈夫？人たくさん居ると思うし、佐久早君には結構しんどい環境だと思うんだけど…』

佐「……………………大丈夫」

『…そっか(結構間があった…！)』

佐「…やっぱり、俺とは行きたくない？」

『！そんなことないよ…！ただ心配なだけで、嫌な思いさせてまで行きたくないなって。もちろん一緒に行けるのは……凄く嬉しい』

佐「…俺は大丈夫だから」

そう言って優しく頭を撫でてくれた。
それが心地よくて目を閉じてしまう。

佐「(可愛い、キスしたい)」

目を開けると先程より近くに佐久早君の顔があり、そのまま流れるようにキスをした。

『ん』

佐「(なにその声、可愛すぎる。もう一回…)」

『んん…まってさくさくん…ここそとだから…』

そう言うと止まってくれたが、顔は物足りないと言っているようだった。

佐「もっと…三好に触ってたい」

『…佐久早君』

佐「…そう思ってんのは俺だけ？」

子犬の様な悲しそうな寂しそうな顔で言われ心が痛むが、外でキスするのはあまりよろしくない…と思うので、ここは踏ん張れA！

『私も同じだよ…でも、場所もあるし、その、恥ずかしいって言うか…ドキドキするから…ね？』

佐「…わかった」

『(よかった…前から思ってたけど佐久早君って物分かりがいいというか…)』

佐「外以外ならいいんだな」

『(全然わかってらっしゃらない！！)』

でも何故か上機嫌な佐久早君を見ていたら、このままでもいい気がして、私も私で来週の花火大会に思いを馳せていた。