君の1番になりたい【HQ 佐久早聖臣】 (ページ35)

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～佐久早side～

『…佐久早君……凄い格好良かった…よ』

そう言われ顔が熱くなる。
自分から俺だけを見ててほしいと言ったがこう返されるとは予想していなかった。
そして顔を赤くさせ恥ずかしそうに言う三好を見て期待してしまう。

佐「…ありがとう」

『…じゃ帰ろっか』

そう言って歩きだそうとする三好の腕を掴む。

佐「悪い。さっき掴んでたの痛くなかったか」

『大丈夫だよ』

佐「…宮と仲良いんだな」

『そうかな？普通だよ』

佐「…三好は普通でもあっちは違うだろ…あんま他の奴に隙見せんなよ…」

『そんなつもりは…』

甘いんだよ、そんなつもり無くても向こうは違う。
男なんて考えてる事は大体一緒だ。
だから宮の気持ちがわかる。
あいつは三好の事が好きだ。
俺はお前を宮に渡したくない、絶対に。

佐「俺だけ見てろよ」

『っ！練習試合の時でしょ…ちゃんと見てたよ』

佐「違う」

そう言って前の時みたいに両頬を両手で包むと三好は驚いて後退りし背中が壁にぶつかる。
逃げ場はない。

佐「これからずっと…俺だけ見てろよ」

『さくさ、くん…』

佐「三好が他の奴と話してんのも触られんのも見てて気分悪い。…全部俺だけでいいだろ、なあ」

『…』

お互い辛くなる程目を合わせる。
俺はもう気持ちを押さえられなかった。
自覚してから三好を見るとどうしようもない気持ちに襲われる。
他の奴と話しているのを見たときは自分の中だけに閉じ込めておきたい等とふざけた感情さえ湧き出た。
所謂独占欲というやつだろう。

侑「何様やねんお前」

宮の言葉が頭に響いた。
自分でもよくわかってる。
でももう自分では止められなかった。

佐「好きだ」

驚いた表情の三好を抱き締める。

佐「…嫌なら振りほどいていいから」

そう言いながら抱き締める力を強くする。

『ふふっ…これじゃ振りほどけないよ』

今の笑った顔も可愛かったんだろうな、なんて思う俺は大分重症だ。
だから

『…私も佐久早君が好き』

そう言って俺の背中に手を回す三好がいる今この瞬間は、俺の都合のいい夢なのかと思う。
確かめるように体を離し顔を覗き込む。

佐「…夢か？」

『夢じゃないよ』

顔を赤くし笑いながら俺の頬を触る三好。

『ね？』

佐「…好きだ」

『…私も、好き』

マスクを外し、見つめ合う。
ゆっくり近づいて唇を合わせた。
見上げる三好が愛しくて胸が一杯だった。