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「おはようさんAちゃん!」

『おはようございます!』


兵庫に来て2日目。
昨日はびっくりした。
ピアノを弾いた後、先輩達が号泣していて軽くパニックだった。
凄い、感動したと言われるのはやはり嬉しいものだ。
でも嬉しさと一緒に胸の奥がギュッとする自分に嫌気がさす。

そんなことを思っていたらバタン!という音と共に手に走る痛み。

『痛っ』

風で勢いよく閉まったドアに手を挟まれた。

「Aちゃん!大丈夫?!」

「挟まれたん?!赤くなっとる!」

黒「どないしたん?」

「Aちゃんドアに手挟まれたみたいで」

黒「真っ赤になっとる!痛いやろ?早よ冷やさな!!保健室行くで!!」

『あっ大丈夫です!1人で行けます!すみません…』


私の不注意でこんなことになってしまったのに、凄く心配してくれる先生と先輩達。
本当優しい人達ばっかりだな。


「何でAちゃんが謝るん!…1人で大丈夫なん?」

黒「保健室の場所わかる?」

『はい、大丈夫です、わかります。』

黒「……そやったらちゃんと冷やしてもらうんやで」


心配そうな声に笑顔を返す。
昨日体育館に向かう途中保健室があったのを思い出す。
ドアを開けると、右の頬を赤くしたアツム君がいた。
本当…バレー部って皆背が大きいんだね…。


『すみません、なにか冷やすものありますか?』

「あら、あなた黒田先生が言うてた子やね?どないしたん?」

『手を挟めてしまって…』

赤くなった手を見せる。

「あらあら痛かったやろ!ちょお待ってね、向こうから持ってくるから。…よし、宮君はもう大丈夫やで、練習戻り」

侑「ありがとうございました。」

そう言い先生は保健室を出ていった。
続いてアツム君も出ていくかと思いきや、動かず話しかけられた。

侑「なあ、あんた…むっちゃ上手いんやなピアノ。昨日見とったで」

『えっ…ありがとうございます。』

侑「東京から来たんやって?」

『そうです。(なんで知ってるんだろ)』

侑「高1?」

『はい。』

侑「タメやん!敬語やめてや!俺宮侑言うねん!よろしゅう!」

『そうなんだ…私三好A。よろしくね、宮君』

侑「宮君て…あかん聞きなれんから変な感じ!侑って呼んでや!」

『?わかった、侑君ね(コミュ力高いな)』

高コミュ力には高コミュ力で返さねばと笑顔で言う。

侑「ん゛ん゛(可愛ええ)」

『えっどうしたの?大丈夫?』

胸に手を当て俯く侑君。

先生もう大丈夫って言ってたけど、大丈夫そうじゃないよ。

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設定タグ:佐久早聖臣 , ハイキュー   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:にきい | 作成日時:2020年5月25日 23時

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