君の1番になりたい【HQ 佐久早聖臣】 (ページ17)

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これが終わればお昼、と唱えながら走る。
無事50m走の記録もとり終わり、花の所に向かおうとすると

佐「三好」

『佐久早君！お疲れ、どうしたの？』

佐「昼飯行くだろ、小春と古森先行ってる」

『迎えに来てくれたの？ありがとう』

佐「早く行くぞ」

笑い、感謝の意を伝えると足早に目的の場所へと向かう佐久早君。
追いかけようとしたその時、足元の段差につまずき前のめりになる。

『あ、(転ぶ)』

咄嗟に目をつぶってしまう。
しかし痛みはなく、代わりに腕を捕まれている感覚だけがあり、見上げると少し焦った表情の佐久早君がいた。

佐「危ないな、気を付けろよ」

思った以上に顔が至近距離にあり、目があった瞬間、顔に熱が集まった。
待って、なんで私恥ずかしがってる…？！

『…ありがとう』

佐「…顔、赤いけど」

『！』

佐「もしかして…熱中症とかじゃないよな」

ジッと見つめられ、佐久早君の手が私のおでこに伸びてくる。
触れられると思うと急に恥ずかしくなり、バッと顔を避ける。

『だ、いじょうぶ』

佐「……あっそ」

『お昼行こ』

未だに赤い顔を隠すよう佐久早君より前を歩く。
というか、お昼の場所どうやって行くか知らないから先に歩いても意味ないんだった……！

ゆっくり後ろを振り返ると、佐久早君は自分の手のひらを見て立ち尽くしていた。

『？』

もしかして…
さっき腕つかんでくれた時どっか痛くした…？！
さっきはそんな素振り見せてなかったけど…
どどど、どうしよう大事な手に…！

『佐久早君！大丈夫？！さっきの、私のせいで手痛めちゃった？ごめんね！保健室行く？』

佐「は？何でそうなるんだよ」

『だって、手見てたから…痛くしちゃったかと思って』

佐「してない」

『…本当に？大丈夫？』

佐「大丈夫だから、早く行くぞ」

『そっか。よかった』

佐久早君が先に歩きだし、それに続く。
怪我はしていないようで安心した。

前を歩く姿を見て、ふと思い出す。
手大きかったな…。私とは全然違う。
背も高いし、体格だってしっかりしてる、私の事を片手で支える力もある、男の子なんだ。
変な感じ、考えるだけでドキドキする。

……ダメだ！
佐久早君は友達なんだから変なこと考えない！
今はお昼ご飯の事だけ考えよう！

佐「クソ…(さっき三好に触ろうとした、他の奴なら絶対しない。何で触ろうとした？何やってんだよ俺。…避けようとした三好もムカつくし、意味わかんねぇ)」