君に届く音（JW紫×青） (ページ21)

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少し暗い雰囲気に、重たい足取り。病室についてからもそれは変わらず、無言が続く。

でも、先に動いたのは流星やった。

「濵ちゃん、はい。」

軽く病室内を見渡した後、棚から何かを取り出して俺のもとへ。

手渡されたのは…

紙とペン

………なんで

「濵ちゃんさ、さっきからずっと喋ってなかったやろ。風邪かなって思ってたけど、ここきて確信した。」

なんで、

「…声、出ないんやない？」

流星には、バレてしまうんやな。

差し出された紙とペンはいつも俺が使ってるもの。

さっき病室内を見渡してたんは、喋らへん俺を疑問に思ってのこと。

つまり、声が出ない可能性を考えてたってわけや。

“よくわかったな”

「…うん。濵ちゃんとここ来るときに精神科って見えてもうて。濵ちゃんが言葉を発さないのは、もしかしてって思ってん。」

“そっか”

普段はアホやけど、誰よりもちゃんと周りを見ているのがこいつのいいところ。

さすが、流星や。