お隣さんの柳田くん。

▽ side M ページ22

*



将洋『 ただいま 』

将母『 おかえり〜遅かったね。先にご飯にする？ 』

将洋『 いや、走ってくる 』

将母『 え？今帰ってきたのに？ 』

将洋『 いってきます… 』

将母『 ちょっ マサ？！』



貴『 なんかあったね。ありゃ。 』

将母『 オーバーワークよこれじゃあ…体壊しちゃう。 』



〜



くそ

くそ



将洋『 くそっ！！！！！ 』



プレーが思うように行かない日が続く

悔しくて練習が終わってからも走り続ける

常に絶好調な人なんていないと思うけど

この不調の日々がすごくしんどい

周りに置いてかれそうで 焦る




ガコンッ



スポドリを自販機で買い 公園に向かった

誰もいないブランコに座り 乾いた身体に水分を与える

優しく綺麗な月明かり 今日は満月だ



将洋『 Aも…見てるかな…？』



《 マサのこと好きだって言ってんの！！ 》



不意にあの言葉を思い出して顔が熱くなる

どうゆう意味の好きだったのかわからないけど

俺達も高校生…お友達の好きじゃなくて

恋愛対象として好きってことだったのかな…


将洋『 会いたいな… 』


月をみながらポツっと呟いてしまった

次会えるのはいつなんだろう

常にニコニコしてるかと思えば急に怒ったり

泣いたりしてるアイツが恋しくなる



将洋『 っし…頑張るか。 』



次会った時に何も変わってないなんて

思われたくないからな

強くなったって驚かせたい

次第にやる気が湧いてきた

飲み終わったスポドリをボトル捨てに投げ入れ

深呼吸して また走り出す





将洋『 俺だって好きだし… 』





*


『 っくしゅ！！！ 』

咲那『 ん？どしたの？風邪〜？ 』

『 や、なんか…なんだろ？？？？ 』

咲那『 えー？？ あっ 今日満月だ！ 』

『 ほんとだ♪ 綺麗だな〜♪ 』



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