僕のｵﾖﾒさん (ページ3)

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③

東京某所ー

珍しく東京にやってきたAを部屋に招き入れる。

『丸山くん、どうしよ……』

家の中に入るなり、僕の服の裾掴んで呟く。

俯いて顔は見えない。

何かあったのか、またストーカーが出たとか、
その人から逃げてきたとか？

丸「どうしたん？」

あまりに深刻そうな雰囲気を醸し出すから目線を合わせるように屈むと、眉尻の下がった顔が僕を見る。

『転勤、出来なくなっちゃう……』

丸「……てん、きん？」

思ってた回答と違う時、一瞬頭が回転を辞める。

それに、転勤って……なんの話？

丸「……えっと…転勤って？」

『うん、丸山くんと住むにはやっぱり東京がメインになるかなって思って……

転勤願出てたんだけど、部長に昇格しちゃいそうなの』

丸「えっ、めっちゃ凄いやん！」

思わず喜びの声をあげるけど、

『でも、そうなったら東京来れないよ……

また数年大阪に縛られちゃうし、お仕事増えたらほとんど会えなくなる……』

丸「……そ…っか…………」

会われへんのは嫌やけど、Aが昇進を心から喜んでないのも嫌で、

これからもっと忙しくなる僕は、
彼女に会いに行く時間も少なくなってしまうって言うのも事実で、、、

『……いっぱい考えたけど、考えれば考えるだけ
答えがわかんなくなっちゃった』

丸「ううん、考えてくれてありがとう。

取り敢えず中入ろ？」

ここでやっと自分らがまだ玄関におることを思い出す。

さてと、なんか解決方法、ないかなぁ……

…