僕のｵﾖﾒさん (ページ1)

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①

『……ん、』

ダブルベッドの上。

つやつやの綺麗な肌。

細くて白い足。

めくれあがっても見えそうで見えないふくらみのある胸。

ほんのり赤い唇。

これを目の前にドキドキせぇへん男なんてこの世におる？

しかも大好きな人、やで？

無理あるわ、ホンマに。

でも、今すぐこのベッド出て局に向かわなあかんの。

今日もお仕事やから。

丸「じゃあ、行ってくるね。おやすみ」

ちゅっと額に当たらないギリギリのところで音だけを鳴らす。

彼女が起きるまであと20分くらい。

眠りが浅いねんもん。
今触れたら起こしてまうし、一切触れずに寝室を後にする。

だって今触れてしまっまたら、

今、起きてるAを目の前にしたら。

絶対に仕事行かれへんくなる。

それを知ってるからか、Aも僕が触れない時は起きない。

でも起きてる。

扉を閉めると、すぐに「いってらっしゃい」って小さい声が聞こえてくるから。

僕はそれを知ってるから。

寂しくない。

丸「よし、頑張ろ。」

まだまだ暗い夜の大阪。

僕が仕事場につく頃には人も多くなるんやろな……

野良猫が歩く夜の道。

僕は西へと向かう。

…