偽装女子②【iwsk】 (ページ1)

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勇者ページ1

黄side

大子との毎日は想像していたよりもずっと輝いていて幸せだった。

理由なんてなくても些細なことでメッセージや電話ができて、たまに寝落ち電話なんかしちゃったり。

カフェにもよく来てくれるしたまに休みが被った時は当たり前のようにデートをして。

だけどふとした時に漠然とした不安に襲われる時があるんだ。

胸が嫌にザワザワと音を立てて落ち着かない。
なんかよく分かんないけど大子がどこか遠くへ行ってしまうような気がして…。

大子が時折見せる悲しそうな、苦しそうななんとも言えない表情がいつも俺を不安にさせる。

一体なにが大子をそんな顔にさせてるの？
俺はどうしたら大子を守れる？

もし俺が世界を救う勇者だったらこんな風に悩まずにかっこよく守れたのかな。

黄「大子…」

もちろん俺には世界なんて救えるわけない。

だからせめて大子の周りの小さな世界だけでも守れるように強くなりたい。

桃「照！！」

これから先も何百回、何千回も俺の名前を元気いっぱいに呼ぶ大子の姿を見続けられますように。

黄「なあに、大子」

返事をすると嬉しそうに駆け寄ってくる姿は犬みたいで俺はそんな大子がどうしようとなく大好きなんだ。