誰より優しいキミだから②【iwfk】 (ページ6)

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ご褒美ページ6

黄side

段々と体調も回復してきて長い時間人間で居られるようになった。

気づいた時にはふっかがそばに居てずっと付きっきりで看病してくれた。

紫「行ってきます」

ふっかが出かけていって家に1人になった。
前までは1人でも平気だったのに今はどうしようもなく落ち着かない。

きっとあの地獄の日々の影響も少しあると思う。

黄「ふっか…」

ふっかが渡してくれたふっかの服。
狼人間の俺は普通の人間の嗅覚より遥かに鋭い。

匂いひとつでこんなに心が落ち着く。

黄「くぅーん…」

少しでも匂いを感じたくて狼の姿になる。

2人だけの世界はものすごく幸せで安心するんだ。
だけどふっかは俺がふっか以外の人を遠ざけると凄く悲しそうな顔をする。

なんでふっかはそんなに悲しそうな顔をするの？

外は怖い。
みんな化け物って俺を罵る。

だからもう外には出たくなんてない。

今は仕事とかメンバーとかのことを何も考えられない。
あの地獄の毎日とふっかのこと以外何も考えられないんだ。

紫「ただいま」

黄「ふっか…！！」

耳としっぽを出してるからしっぽがぶんぶん横に揺れる。

紫「留守番してくれてありがとう。
これご褒美に買ってきた」

そう言ってふっかが取り出したのは有名なお店のチョコケーキ。

しっぽがちぎれるんじゃないかってくらいに揺れるのを止められない。

紫「嬉しそうで何より」

ふっかは満足そうにそう言うとケーキを冷蔵庫に入れて手を洗いに行った。

俺はその後を追って後ろから抱きついて匂いを嗅ぐ。
よし、どこの馬の骨かも分からないやつの匂いはしないな。