桃色わんこ

後悔 ページ21

黄side

三「今日お前らを呼び出したのはな、後悔だけはすんなよって言いたかったんだよ」




後悔か、もう死ぬほどしてる。

あの時ああすれば今も佐久間はここに居たのかなってそんなことばかり頭に浮かんで苦しくなる。




三「お前らにとって佐久間ってなに？」


黄「佐久間は、俺らにとってほんとに大事なかけがえのない家族です。佐久間が居なくなっただけで俺たちはバラバラです。
なのに、何も気づけなかった…」




泣きそうになりながら必死に言葉を紡ぐ。
俺の気持ちをちゃんと伝えたい。




三「気づけなかったって言ってるけど本当は気づいてたんじゃないの？」




健くんのその言葉にハッとした。

どこか感じていた佐久間の違和感。
なんだか無理して笑ってるような、でも忙しさにかまけて気のせいだと思い込もうとしたんだ。




紫「気づいてました...」




ふっかがそう言うと健くんは「俺と一緒だな」と言ってビールを一口飲んだ。




紫「一緒...？」


三「俺も気づいてたのに気づかない振りをした。
あいつなら大丈夫。本当に何かあるならちゃんと話してくれる。そんなこと思って見て見ぬふりをして」




俺も同じだ。

佐久間なら大丈夫。
本当に何かあったらちゃんと話してくれるってそう高を括ってた。




三「あいつのことなら言葉なんかなくたってわかる。
俺たちは同じ目標に向かってる。
そう思ってるかもしれないけどそれはただの思い込みだ」




健くんの言葉ひとつひとつが鋭利な刃物みたいに俺の胸に突き刺さる。

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