桃色わんこ

雨 ページ35

桃side

あの日からまた引きこもるようになった。
買い出しも本当に申し訳ないけどAちゃんに頼んでる。


阿部ちゃんと会っちゃったしもしかしたら他のみんなにも会っちゃうかもしれない。

もし今みんなに会っても突き放して逃げることしか出来ないから...。




桃「あれ、雨だ...」




外を見ると凄い勢いで雨が降ってる。

そういえばAちゃん傘持ってってなかった。
もう帰る時間なのに…。




桃「傘、届けなきゃ...」




家から出たくはないけどご主人様が困ってるって分かりながらほっとくようなこと、ペットとして出来ないよ。

こんな雨の中濡れて帰ってきたら風邪ひいちゃう。




桃「それにしてもよく降るな」




Aちゃんの会社までは電車も乗る。
この前とは違って学生も帰る時間、バレないようにしなきゃ。




桃「Aちゃんのためだもん」




ご主人様のためにもペットとして頑張らないと。
Aちゃんが雨に濡れて風邪を引いちゃったらすごく悲しい。

辺りを警戒したいけど下手にキョロキョロしたらかえって目立つからできるだけ早足で歩く。


傘で眼鏡とマスクと帽子で変装した顔を隠しながらAちゃんの会社へ。

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