桃色わんこ

独占欲 ページ12

桃side

目が覚めると何故か俺に寄り添うように眠ってるAちゃん。




桃「風邪ひくよ」




自分が使ってた布団をそっとかけて朝ごはんを作ろうと立ち上がった時に気づいた首元の違和感。

違和感の正体に触れると鎖の感触。




桃「ネックレス？」




鏡を見ると雫の形のチャームがついたネックレスが首に付いていた。
シンプルでどんな格好でも合う万能なデザイン。




桃「Aちゃん！！」




Aちゃんが付けてくれたのかな。
嬉しくてテンションが上がって寝てるAちゃんを起こす。

お休みだから寝かせてあげたいとか思ってたけどすっごく嬉しいんだもん。
早くありがとうを言いたい！！




「んっ…なに、どうしたの大介…」




眠そうに身体を起こしたAちゃんに抱きつく。




桃「ネックレス、ありがとう！！
めっちゃ嬉しい！！」


「喜んでくれてよかった。
ペットには首輪つけないと誰かに拾われて連れてかれちゃうかもしれないからね」




そう言ってふふっと笑うAちゃんは最高に可愛い。

Aちゃんが出してくれた少しの独占欲に自分の思いが一方通行じゃない気がして幸せを感じる。

まあ、Aちゃんは俺と違って飼い主としての気持ちだろうけど…。




桃「ありがとう、これ宝物にするね」





何も無い空っぽになった俺に出来たすっごく大切な宝物。

これさえあればなにがあっても大丈夫な気さえしてきて、不安でいっぱいだった俺の心を明るく照らしてくれた。

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